家に良書が300冊もあれば、子どもはそのうちどれかと触れ合って、勝手に賢い子に育ちますよ

紀伊國屋書店 高井昌史社長に聞く
出張 '86年、図書目録のコンピューター化を視野に入れ、先進的だったアメリカへ出張した時の様子

図書館

私は長く、日本十進分類法(日本の図書館で使われている図書分類法)の数字を暗記していました。490番台は医学で、491番は基礎医学、という具合(笑)。営業のあと、自治体と共に図書館を立ち上げる仕事をしたからです。

まだ図書館がない小さな村には、公民館に蔵書を置きました。1年後、別の本を届けるために訪ねると、児童書がボロボロになるまで読み込まれていた……そんな瞬間が嬉しかった。

走れ! '83年、伊豆で行われた課長研修の様子。体力勝負の研修もあった。左から2人目が高井氏

目録

'80年代末頃「近い将来、コンピューター化が進めば図書のカード検索はなくなりデータベースになる」と言われていました。そしてまだ手書きの図書カードが主流だった'90年代に、早稲田大学図書館の和書目録のデータベース化を請け負いました。

著者名や書名などを約66万冊分、入力する作業なんて誰もやったことがない。そこで校内に入力用の場所を借り、ベルトコンベアで書籍を運んで作業したんです。

何もかも初めてのこと。こんなクリエイティブな仕事が大好きでした。もちろん、挑戦的なことをすると周囲から不安がられ、時には風当たりも強くなります。でも、上と衝突するくらい大したことじゃない(笑)。

使いません

私生活では、パソコンは使いません。携帯電話も電話としてしか使いません。友人が「高井にメールを使ってもらう会」を立ち上げたこともありましたが、ダメでした(笑)。まあ、いいじゃないですか。それでも生きています。結局、ムダな情報なんか、いらないんですよ。

世界共通

書店は文化のインフラです。田辺茂一は日本の出版文化を世界に届けるのだと、昭和40年代から海外展開を始め、赤字続きでもやめなかった。今では、米国、アジア各国、さらには中東のドバイにまで店舗を構え、海外での売り上げは300億円を目指すまでになっています。