【沿線革命055】
新幹線の夜行運行でお盆の混雑は解消できる

山陽新幹線と東北新幹線の事故対策も
阿部 等

夜行新幹線の運行を

新幹線は騒音対策で0時から6時の走行が禁止されているのだが、夜行列車を運行する妙案がある。

適当な時刻から0時まで走行して、6時まで待機し、6時からまた走行する。乗客は乗ったままで良い。具体的な時刻表を示すのが分かりやすいだろう(クリックで拡大)。

東海道・山陽の夜行新幹線の例(独自に作成)

東京20時発に乗ると、0時前に広島に着いて待機し、6時にまた動いて博多に7時過ぎ、鹿児島に8時半前に着く。21時発に乗ると、新神戸で6時間待機し、博多に8時過ぎ、鹿児島に9時半前に着く。22時発に乗ると、岡山に7時半過ぎ、広島に8時過ぎに着く。

東京・品川・新横浜のそれぞれ6時発は、現行の始発列車の時刻だが、大半の人はそれぞれの駅近くに住んでいるわけではないため、間に合うように着くのは容易でない。20時頃からホームに留置させ、都合の良い時刻に乗れることとすれば、子供連れでも便利この上ない。

当座、今ある車両で運行すれば車両の増備は必要ない。深夜は走行しないので、保守作業にも影響しない。待機する駅での対応が発生するが、全体のコストと得られる収益から見たら些少だ。

例示した時刻表以外にも、需要量に応じて多数を運行できる。新線を建設することも、車両を増備することもなく、お盆や年末年始、ゴールデンウィークなどの繁忙期の輸送力を大幅に増強できる。

熊本-鹿児島中央は16両編成が入れず、8両編成を東京に乗り入れることはJR東海が認めないだろうから、当初は東京-博多に限った運行となるが、それでも効果は十分にある。

理想的には寝台列車とし、広い個室、狭い個室、ゆったりできる2段寝台、リーズナブルな3段寝台、格安な座席車とバリエーションを用意し、価格差を付けて選べるようにしたい。

飛行機の終便より遅くに乗れて、初便より早くに着く

夜行新幹線は、お盆や年末年始、ゴールデンウィークなどの繁忙期の輸送力増強に限らず、通常の輸送でも非常に便利である。

例えば、羽田から伊丹便は終便が19:20発と早く、関空便でも21:40発で、都心を20:30には離れなければいけない。初便は伊丹7:20着で、大阪都心に8時前には着けない。

また、新幹線の新大阪行きの終列車は21:20発、新横浜6:00発の初列車で新大阪8:15着である。

夜行新幹線なら、23時に乗って新大阪7:31着、22時に乗って6:47着である。夜中を有効活用して効率的に移動できる。寝台であればぐっすり眠れ、夜行バスのように体力を消耗することもない。

ここ20年来、ブルートレインと呼ばれる夜行寝台列車は衰退の一途で、「あけぼの」や「北斗星」の運転最終日は大変な騒ぎとなった。新幹線を活用すれば、かつての在来線の夜行寝台列車よりはるかに便利で競争力のあるものを実現できる。

11日夜に出演したフジテレビ「ホウドウキョク あしたのコンパス」(http://www.houdoukyoku.jp)でお話したら、古市憲寿さんにも大いに期待を持たれた。