【働く女性の保健室】避妊だけでなく、生理痛や子宮内膜症を防ぐ効果あり! 低容量ピルのすすめ

宗田 聡

避妊以外でも身体に有効なピル

最近ようやく避妊用ピル(低用量ピル)が多くの若い女性の間で使われ始めていま す。ただ、「ピルは避妊薬→ピルを飲むと妊娠しない→薬で妊娠しない身体にしている→ずっと飲んでいると、そんな(妊娠しない)身体になったまま戻らない」というような都市伝説が広がり、「ピルを使うと将来不妊になるのでは 」と思い込んでいる人もいるようです。

けれども、「ピルを飲んだら子どもができやすくなる」とまではいいきれないものの、むしろ女性の身体にとっては、いいことのほうが多いのです。 ピルを使うことで、女性ホルモンが外から入ってきますが、その量はごくわずかですから、ホルモンによる直接的な作用もほとんど心配ありません。また、子宮内膜症のような病気を持っている場合、2〜3年ぐらい子宮を休憩状態にしておくほうが、いざ子どもをつくろうとするときに、有効なことがあります。

生理痛や子宮内膜症を防ぐ効果もある

ピルは排卵を抑えることで避妊効果があることはよく知られていますが、同時に子宮内膜をあまり厚くさせない働きもするんです! そのため、結果として生理期間も短く出血量も減ります。これは、ひどい生理痛や子宮内膜症などの病気の防止治療にも、とても効果があります。

ピルで排卵と生理をコントロールして子宮の負担と痛みを減らすピルは、女性ホルモンを薬にしたものです。通常は、頭から出るLH、FSHという2つのホルモンが卵巣に働きかけることに よって、女性ホルモンを出すように促して、排卵が起き、その後生理が来ます。けれども、ピルを飲むことで女性ホルモンを外から取り入れることになるため、頭は「お、ちゃんと女性ホルモンが出ているじゃないか、じゃあ、ホルモンを出せ、と いう命令はしなくても大丈夫そうだな」と判断して、LH、FSHの2つのホルモンがほとんど出なくなります。そうすると、排卵は起きず、あまり子宮内膜も厚くならないのです。

そして、ピルを飲んだからといって生理痛が0にはなることはないものの、それまでの痛みが10だったとすれば、ピルを飲み続けることで、2〜3くらいのレベルまでは楽になります。生理が始まると2〜3日は動けない、真っ青になって気分が悪くなり会社に行けない、などという方も、ピルを使うと、ほぼ普通に動けるようになります。

ピルを飲んでも生理は止まらない

ピルを飲んだら、毎月の生理の出血もなくなると思っている人がいます。ピルを飲んだら排卵はなくなりますが、生理は来るということを、覚えておきましょう。排卵後、女性ホルモンによって子宮内膜が厚くなりはがれ落ち、交換するのが、生理の現象です。

ピルで外から女性ホルモンを摂取する場合、排卵は起きませんが、通常と同じように子宮内膜は厚くなります。この厚くなった内膜を、ピルを飲むのをやめることによって、時々交換させるのです。たとえば、ピルを3週間飲んで、1週間飲むのをやめると、急に薬が切れます。それが合図になり、厚くなった内膜がパカッとはがれます。

つまり、わざと生理としての現象を起こさせるのです。生理が自然に来ているときと同じように、ピルでも似たようなことをさせるわけです。ただし、ピルにより摂取するホルモンの量が少ないことから、内膜が通常と異なりあまり厚くならないため、全体にはがれる量も少なくなります。結果として、出血する量や痛みが少なくなり、生理期間も短くなるわけです。

また、あえて毎月生理を起こす必要は、とくにありません。海外では、腕にピルのカプセルを埋め込んだり、「ニュバリング」というリング状のものを膣の奥にパコっとはめてしまい、そこからホルモンを3ヵ月ぐらい出し効かせることで、3ヵ月ほど生理を止めるケースもあるぐらいす。