【二宮清純レポート】ノーコンピッチャーから打者転向で開眼! 雄平(ヤクルト)「一度死んだ男」の意地

週刊現代 プロフィール

その一方で不安材料も口にした。

「アイツはプレースタイルが硬いから、ケガしなければいいんですけど、性格がまじめやから、練習の時から一切、手を抜かない。バットを振りまくらないと気がすまないんでしょうね」

誰もが指摘する「まじめ過ぎる性格」。本人はどう考えているのか。

「まじめ? いや普通ですよ。とりたててプラス思考でもなければマイナス思考でもない。一般の人たちと変わらないと思いますよ。

ただ、この仕事をしている以上、常に結果を出し続けないと使ってもらえないという不安はあります。毎試合ベストを尽くし、結果を求める。それは、いつも意識していることです」

味わい深いエピソードを耳にした。この春、後輩のダルビッシュが右ヒジに腱を移植するトミー・ジョン手術を受けた。

〈大丈夫か?〉

メールを送ると返信があった。

〈全然大丈夫です。これは僕にとってプラスの手術です〉

それを受け、自らに言い聞かせるように雄平は言った。

「アイツはすごい。あれだけの手術をしても、全然こたえていないんですから。すべてを前向きにとらえる。究極のプラス思考と言っていいでしょうね」

雄平には理想の打球がある。糸を引くような弾丸ライナーだ。

ちなみに弾丸ライナーの名付け親はプロ野球草創期の野球評論家・大和球士。戦後、〝赤バット〟で人気を博した巨人・川上哲治の強烈な打球を評したものだ。

奇しくも川上も野手転向組である。熊本工から左腕投手として入団し、通算11勝をあげている。

〝打撃の神様〟と重なり合う球歴は、雄平の明るい未来を示唆しているのではないか。プラス思考で締めくくりたい。

「週刊現代」2015年8月8日号より


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