老後の不安が止まらない……予期せぬ出費が次々あなたに襲いかかる

70過ぎたらおカネがどんどん出ていく
週刊現代 プロフィール

「私たち夫婦も確かに歳だし、自宅をバリアフリーのリフォームくらいしてもよかった。補助金も受けられて大々的にやっても数百万円程度ですよ。

ところが息子たちがいざ業者を連れてきたら、賃貸併用住宅を建てるのに、あれやこれやで8000万円近くかかるという。この歳で私が土地を担保に、息子と25年の『親子ローン』を組まされるんだ。

住宅メーカーは、家賃は計算上、手取りで月40万円弱入りますよ、それも10年保証ですよ、などと言うけれども、よくよく聞けば家賃は実情に合わせて引き下げるという。日本の人口が減っている時代に、将来の家賃収入なんてあてになりませんよ。

まあ、妻までが言いくるめられて、それが時流だというから、しぶしぶ承知しましたけどね……」

「墓じまい」で200万円

ローンを少しでも減らそうと、預貯金から1000万円近くを払った。「土地から現金収入が入っても、これでは何をしているかわからない」と菅原さん。自宅を片付けている間に、妻は転んで足を骨折した。「打ちどころが悪かったら寝たきりになったかもしれん。そしたら家賃収入なんか介護ですぐに消えちまいますよ」と不満はつきない。

「だいたいね、古臭いかもしれないけど、息子たちもいい大人なんだ。『父さん母さん、今までありがとう』とリフォーム費用でも出してくれるというのが当たり前ってもんでしょう。それを、相続税が高いからどうのこうのと。相続税を払うのはお前たちで父も母も先に死ぬんだ、好きにしろと言いたいですよ。しかし、妻がね。息子たちは給料も昔みたいには上がらないのよ、年金ももらえないかもしれないのよと言うもんだから……」

さらに、人生最終盤での思わぬ出費に目を丸くする人もいる。東京・杉並区在住の高野まり子さん(76歳・仮名)は、三重県にあった実家の墓で、思わぬ出費に襲われた。

「もう田舎には親類もいなくて、お墓があるだけでした。私もいい歳だし、田舎に縁も感じていない娘たちにお墓参りに行ってもらうわけにもね」

そこで「墓じまい」をして代々の遺骨を引き取り、東京の霊園に改葬しようと考えた。墓のある寺に相談をすると、「それなら離檀料100万円、墓の撤去や整地でさらに100万円」と言われたという。離檀料とは檀家をやめる挨拶金といった意味合い。近年の経営難もあって、高額の離檀料を請求する寺院もあり、トラブルが増加している。

ファイナンシャル・プランナーの横川由理氏は、「離檀料の金額に法的規制はなく、寺院が自由に設定できますが、あまりに高額な離檀料は払わなくてよいという判決も出ています」と話すが高野さんには法廷闘争をする気力はなかった。懐事情を話して180万円にまけてもらい、墓を移した。

「その出費がなければ、東京に『ここがいいな』という霊園もあったんですが……結局、もっと安いところで永代供養の墓所を探して納めました。私もそこに入ります」

医療費、ペット、人付き合いでの出費、固定資産税に相続対策、そして墓……。意外な出費には大小あるが、小さいものも積もれば山となり、貯蓄を目減りさせていく。いったいどうすればよいのか。後編では、70過ぎからの出費を減らそうと悪戦苦闘した先人たちの成功と失敗の赤裸々な実例を見ていきたい。

(後編につづく)

「週刊現代」2015年8月8日号より


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