老後の不安が止まらない……予期せぬ出費が次々あなたに襲いかかる

70過ぎたらおカネがどんどん出ていく
週刊現代 プロフィール

「いまの子育て世代は、かつてと違って子供の塾や習い事で手いっぱい。さらには伴侶に先立たれるなどして、家族とコミュニケーションする機会が少なくなり、70過ぎから『毎日、何をして過ごそう』と悩む方は多いんです。

初めはおカネのかからない公共の図書館や公民館に通う人も多いのですが、それに飽きてしまうとパチンコに行く人が増える。親類が気づいたときには、知人から借金までしてパチンコ漬けになっていたと相談を受けたこともあります」

また意外な出費につながるのが、生涯学習の勉強会や地域のカラオケの会などだという。それ自体にかかる費用は少なくても、同好の士と意気投合して『今度旅行に行きましょうか』といった話になりやすい。だからといって、出費を警戒しすぎ、自宅に引きこもるのもつまらない。現役時代以上に、財布との相談が重要になってくるのだ。

一方、意外な「税金」が家計の足かせになっているという人もいる。東京・練馬区在住の早川隆弘さん(74歳・仮名)は、島根県出身。実家を継いだ兄夫妻の子供は早くに亡くなり、3年前に兄が死去すると実家の土地や畑が「転がり込んできた」(早川さん)。地方の山間部で相続税も安く、何の警戒もしないままに相続したという。

「ところがこれが曲者だった。不動産屋に相談したら、『山奥の土地なんて、いまどき売れません』とけんもほろろ。隣近所に直接、話を持ちかけてみたけれど、どこも私以上の高齢者ばかりで、誰も買ってくれない」

売れないだけならまだしも、この土地は意外にカネを食った。支払う固定資産税は毎年4万円近い。盆暮れの挨拶に年2万円ほどの品物を送って、道路際の草をむしってもらっている近所の住人からは、「建物が朽ち始めて不用心だから、取り壊したほうがいい」と電話があった。解体業者に問い合わせると、山間部にまで入っての作業になるため割高となり、百数十万円かかると言われた。

「まさに踏んだり蹴ったりですよ。こんな負の遺産を息子にまで継がせたくない。私の代でどうにかしないと」(早川さん)

相続対策を進めようとして、かえって意外な出費に驚かされたという人もいる。東京・三鷹市在住の菅原利一郎さん(78歳・仮名)は、こう話す。

「うちの周りは、都内とは言っても、ひと昔前まで畑ばかりだった。それで、大した資産家だったわけでもないんですが、私の父が買った土地が150坪近くあるんです。

これについて、息子二人が『最近は近所が開発されて地価が上がったから、そのまま相続するのはきつい』という。彼らがあれこれ考えて、賃貸併用住宅というのを建ててくれという話になった。小さな自宅とアパートが合体したようなものですよ。それをやると、100坪以上あるような土地でも相続税の控除が受けられる。しかも、『オヤジには家賃が入るから、一石二鳥だ』なんて調子のいいことを言っていたんです」

息子たちの言う相続税の控除とは、「小規模宅地等の特例」のことだ。居住用の土地であれば、330m2(約100坪)までが小規模宅地とされ、評価額が8割減額される。100坪超ではこの特例は適用されないが、賃貸住宅を併設すれば居住用+貸付事業用の宅地という扱いになり、100坪を超える土地でも控除が受けられる。さらに賃貸住宅と一体化した自宅の場合、建物の評価額にも控除がある。

「だけどね」と菅原さんは腹立たし気にこう語る。