こうして様々な条件を鑑みると、伊東氏の案が最も現実的で内定に近いということになるのだ。
今回、実際に設計をした伊東氏本人にも話を聞いた。
「このデザイン案は周辺環境の調和と省エネをテーマにしています。スタジアムが使われない時にどのような環境を提供できるのかということはすごく重要なこと。だから、極力高さを抑え、自然エネルギーの活用と維持費の軽減を目指しました。
今回の騒動で、いつの間にかデザインという言葉が上空からみた建物の『形』という意味にすり替わっているように感じるのですが、本来デザインはそういうものではないんです。実際に地面に立った人の視点からは、上空から見た外観はなんだったんだと思うくらい、スタジアムの見え方は違います。私はそういう人の視線に基づいたデザインこそ、最も大切だと思っています」
五輪がわずか5年後に迫っていることを考えれば、今度は失敗が許されない。国民が納得し、世界に恥をさらさない形で新国立競技場を建設する責任が、政府にはある。
「週刊現代」2015年8月8日号より
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