「キューバにとって葉巻は外貨獲得の手段であり、重要な外交ツールでもあります」

第9回ゲスト:カルロス川島さん (後編)
島地 勝彦 プロフィール

カルロス 原稿はどこにいても書けるでしょう? それに今の時代、地球の裏側にいたって、クリック一つで送れるわけですから。

島地 いや、自分の書斎の一角の、小ぢんまりとした執筆スペースに籠らないと、グーッと集中して原稿に向き合えない性質なんだよ、これが。

カルロス あれれ、意外に繊細なんですね。

日野 聞いた話ですが、夢枕獏さんは、釣りの時間を捻出するために、クルマなかに小さなテーブルを置いて、海でも山でも、どこででも執筆していたそうですよ。

島地 そんな器用なマネは俺にはできない。でももう一度、どこかのタイミングでキューバに行って、思う存分葉巻を吸いたいな。なるべく近いうちに。

カルロス、バングラデシュとアフリカで奮戦ス

日野 カルロスさんはキューバ専門で、他の国へは行かないんですか?

カルロス ん? いや、行きますよ、行けといわれれば。この前は、スペインのイビザ島に取材に行ってきたし、変わったところではバングラデシュとか、アフリカの国もいくつか。

島地 普通は行かないようなところばかりじゃないか。

カルロス そういう話しか来ない、というのが正解なんですけどね。

日野 カルロスさんが何者なのか、話を聞けば聞くほど謎が深まって、かなり混乱してきましたが、ひとまずバングラデシュには何をしに行ったんですか?

カルロス それはけっこうお堅い仕事。詳しくはいわないけど、郵政省のパンフレット制作の仕事でした。アフリカはねえ、自分でいうのもなんですが、ちょっとアヤシイかな。

ケニアの奥地に住む部族のところへお土産の「チャッカマン」をいっぱい持って行って文明を教えてきました。ついでにインド洋に浮かぶイスラムの島、ラム島にも行きましたね。インド洋沿いのモンバサでは、生牡蠣をたらふく食いましたよ。それから南アフリカに、デビアスのねぇちゃんとダイヤモンドの採掘現場を見に行ったりね。そのねぇちゃんを振り切った後に四国と同じ面積というクルーガー国立公園を覗いたり、ケープタウンで生牡蠣を食ったり・・・基本、美味いモノを探し当てます。

島地 キューバの葉巻から、南アのダイヤモンドまで、話が極端すぎるな。

カルロス ダイヤモンドの原石を売買するときって、原石が無造作に詰め込まれた袋を差し出して、相手は中味の確認もしないで「Mazal(マザール)」(ヘブライ語で「神のご加護を」)と言って、握手だけで取引が成立するんです。お金の話なんかしないんですよ。マジかよ! って思いましたね。これがホンモノのユダヤビジネスか! って。

島地 ダイヤモンドはカットして初めて価値が出るものだから、原石の段階ではそんなものなんでしょう。