「いま必要なのは、“とりあえず観ろよ”のスタンス」 気鋭ビデオブロガーが語る、スマホ動画消費の違和感と理想

Ari Keitaさんインタビュー
佐藤 慶一 プロフィール
番組公開日にSNSに投稿されるVEST MEDIAのキービジュアル

平日8時、"未来をキュレーションする"番組

活動3年目にはGoogle株式会社でYouTube Partner ManagerやYouTube Next Lab Production Strategyなどを務めていた佐藤友浩さんがブレイカーにCCO(Chief Content Officer)として参加することを機に、アリさんも同社への所属を決めた。2014年4月のことだった。

2014年6月からは、動画キュレーション番組「VEST MEDIA」を開始。「実は、VEST MEDIAがはじまる1年前くらいに、YouTuberの瀬戸弘司さんやジェットダイスケさんらとYouTube Space TokyoでYouTube動画をキュレーションする番組をやっていたんです。それが途中で終わったこともあり、佐藤さんが続けてみないかと言ってくださって」。

VEST MEDIAは、毎週月曜日から金曜日の朝8時に、世界中の動画をキュレーションし、再生リストにまとめて紹介していく番組。「Curate The Future.(未来をキュレーションする)」を掲げる。月曜日は旅、火曜日はファッションやテクノロジー、水曜日は音楽、木曜日はスポーツ、金曜日はアニメーションや映画といったように、毎日異なるジャンルの動画を知ることができる。幅広いジャンルにおける未来を先取りできるような番組となっている。

2014年は、YouTube Space TokyoでVEST MEDIAを撮影していたが、多くの利用者がいるため、ぶらりと訪れて、すぐに撮影できないこと、著作権チェックに数日かかり自由なスケジュールでアップできないこと、アルコール類が映り込んではいけないことなど縛りが多いと感じたという。2015年からはBREAKER LABで撮影している。

理想は20~30代の男女にバランスよく届けること

いまのYouTubeには、小中高生など若者向けのコンテンツは多いが、「そういう世代に向けたコンテンツはつくるつもりはありません」とアリさん。VEST MEDIAのターゲットは、同世代である20~30代だ。以前はこの世代の視聴者を獲得したいと考えていなかったというが、街中でたまに声かけてもらうと、きまってサラリーマンや30歳くらいの人が多かった。

YouTubeのアナリティクスで確認すると、現在の視聴者は男性が多い。理想は20~30代の男女にバランスよく届けること。同世代の女性視聴者をどのように集めるのかは課題だ。「女性が興味をもちそうな話題を紹介することはありますが、ぼくがこんな風貌だったら観ないと思います。今後は、女性ゲストを呼んだり、女性MCに参加していただくなど、工夫していきたいです」。

同世代に関連して、アリさんは今年3月、「We The Millennials - ぼくらの世代」という6分にわたる映像を公開した。VEST MEDIAではなく、個人のチャンネルでの投稿だが、1980年~2000年生まれを指すミレニアル世代についてわかりやすく解説・紹介。参考となる記事を選定、台本を制作、友人らにインタビュー実施、動画を撮影・編集するプロセスは合計1ヵ月かかった。はじめてだったというコマ撮りを用いたことで、労作となった。