時代が変化してもマーケティング手法の本質は変わらない

〔PHOTO〕ThinkStock

デジタル分野の略語でヘマをしても問題ない

荒々しい狂乱の1960年代に、ティーンエージャーでありながら初の事業を起ち上げた年寄りとして、私は、今日のデジタル技術の進歩と、それが大小の事業にもたらした機会にかなり上手に対応していると思います。

新しいプラットフォームやアプリを理解するのは難しいことではなく、ソーシャルメディアやデジタルでのネットワークは顧客との新たな交流方法を与えてくれました。しかしその基礎となる考え方には、従来のビジネスの慣行が反映されています。

失読症に悩まされてきた私は、これまで時々、略語でヘマをやらかすことがありました。これはもう有名な話ですが、ある集まりで、あろうことか私は「ビジネスパートナーの候補者と交渉する前に、『DNA(遺伝子の本体)』を取得しておくべきだ」と言ってしまったのです。聴衆の中には困惑して咳払いする者や、「マジ?」と気まずい顔を私に向ける者もいました。

救われたのは、同席したヴァージンの上級幹部による「リチャード、遺伝子チェックまでは行かずとも、まぁ、秘密保持契約(NDA)があれば十分でしょう」という機転の効いたフォローのおかげでした。

略語のアルファベットのワナにはまってしまったごく最近のケースは、マーケティンググループとのやりとりの中で「UGC」の必要に話が及んだときです。

「UGって何?」と訊き返すかわりに私は「ああ知っている。ヴァージン・シネマグループを買収したフランスの会社だね」と口にしてしまいました。当惑気味の聴衆がまたもや私を見ていました。この場合も誰かが「そっちの意味じゃなくて、このUGCは、ユーザー生成コンテンツ(user-generated content)。つまりアーンドメディア(※)などの意味です」と補足してくれました。

幸い、会話はそこからうまく広がりました。というのは、私自身が何十年もの間、ユーザー生成コンテンツの実際上の推進者だとみんなが分かってくれたからです。このアイデアの核心は、自社の製品やサービスについて顧客が発言する場を設け、その感想を共有し、他の見込み客にも製品の良さを伝えてもらうことです。このゲームは顧客との二人三脚で進みます。

(※)earned media:消費者の自発的な発言や推奨

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