「戦後50年決議」をめぐる右派団体「日本会議」の暗躍

そして戦後70年の今、彼らは何をしようとしているか?
魚住 昭 プロフィール

日本会議はいま何をしようとしているか

村上さんにしてみればペテンにかけられたのはむしろ彼だった。役員会で聞いた文案には確かに【こうした】はなかった。

進退窮まった村上さんはそこで決断した。「衆院が決議するのはもうやむを得ない。しかし参院では自分が責任をもって決議させない。だから了承してくれ」と椛島氏らに言った。それでどうにかその場は収まった。

村上さんは約束通り、参院での戦後50年決議をさせなかった。参院の主導権は村上さんの手にあったから議院運営委員会の段階で封じ込めたのである。

これは極めて異例の事態だった。決議は衆参両院の全会一致で行うのが国会の通例だ。言ってみればそれが日本青年協議会の介入で覆されたのである。

日本青年協議会の母体だった「生長の家」は既に代替わりして政治と絶縁し、創始者・谷口雅春の「明治憲法復元論」を封印しリベラル路線へ舵を切っていた。

本来なら谷口思想を奉じる日本青年協議会は解体されるところだろうが、椛島氏らは教団を離れた後も協議会をつづけ、「参院のドン」のネクタイを締めあげるまでの力を蓄えていた。そのバックになったのが、彼らが事務局をつとめる「守る会」と「国民会議」の組織力であることはいうまでもないだろう。

いま日本会議(+日本青年協議会)は、来年夏の参院選後を見据えて憲法改正を求める地方議会決議(ことし4月時点で27府県議会・36市区町村議会にのぼる)や1000万人署名運動などを大々的に進めている。

私の見るところでは、彼らにとって憲法改正は戦前の大日本帝国の“栄光”を取り戻すための一里塚にすぎない。その先にどんな未来があるか。想像しただけで背筋が寒くなる。

*参考:ハーバー・ビジネス・オンライン連載『草の根保守の蠢動』(菅野完著)、週刊金曜日2015年4月3日号

『週刊現代』2015年8月1日号より


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