「地震保険」入るべきか、やめるべきか~巨大地震は必ず来る

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「最近、戸建て住宅を購入、または新築して、多額のローンが残っている場合、家が地震で全壊すると、貯金もなく、住む場所もなく、借金だけが残るという最悪の状態になりかねません。こういった人は地震保険への加入を検討すべきです。

さらに、被災すると収入が激減する人も同様です。大企業に勤めているサラリーマンはともかく、家族で零細企業を営んでいる場合は、地震で収入自体が途絶えてしまう危険もあります。そういった人は、ある程度のまとまった現金の入る地震保険は有効と言えるでしょう」

巨大地震が発生したとき、家屋が全壊したら、国から「被災者生活再建支援金」が受けられるが、その額は最大で300万円。当座の生活資金にはなっても、生活再建には程遠い。いざという時の貯金に不安がある人にとっても、地震保険は頼りになりそうだ。

「高齢者の中には、退職金を使ってキャッシュで自宅を購入する人もいます。しかし、住宅が全壊し、手元に貯金もなく、収入が年金だけとなれば、被災のダメージは計りしれません。貯蓄が100万円以下の人には、地震保険の必要性はかなり高いと言えます。被災した際、身を寄せる親戚や知人がいない人は自力で生活空間を確保する必要にも迫られる。そういった場合も、地震保険に入る価値は大きいと思います」(前出・清水氏)

逆に言えば、住宅ローンがほとんど残っていない、あるいはローンがなくて、貯金に余裕がある人は、地震保険に入る必要はあまりない。

もう一つ、耐震基準を満たし、地震による被害がそこまでひどくないと考えられるマンションの住民にも必要ないかもしれない。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏がこう話す。

「私はマンションに住んでいるので、地震保険には加入していません。マンションの場合、大地震があっても、建物が全壊するケースはほとんどないと思われますし、せいぜいが『一部損』の被害に留まって、保険金の5%が支払われる程度ですから、わざわざ個人で地震保険に加入しなくてもいいでしょう」

ただし、マンション全体で地震保険に入っていない場合は注意が必要だ。仮に管理組合で地震保険に加入していないと、地震でマンションに大きな損害が出たときは修繕積立金で修理を賄わなければならない。修繕積立金で足りなければ、各戸の保有者が追加で負担するしかない。管理組合が地震保険に加入しているかどうかは確認しておいたほうがよさそうだ。

地震保険について検討する際に、ついでに火災保険を見直してみてはいかがだろうか。実は、この秋に火災保険の改定があり、地震保険とセットで見直すと安くなる可能性がある。

「火災保険は10月以降、九州など、近年、自然災害が頻発している地域は値上がりすると見られています。一方で、値下がりする地域もある。火災保険に入っている方は現在の契約を継続するのか、新しい保険にするのかを見極めたほうがいいでしょう。

また、最長36年まで加入できた保険期間も10年に見直されます。今の火災保険の残り期間が短い場合は、9月中に契約を変更して、長期契約にしたほうがおトクになる場合があります」(前出・平野氏)

ローンの残高と貯蓄の有無、立地地域の3つを確認すれば、「地震保険」に入るか否かの答えは自ずと見えてくる。

「週刊現代」2015年7月18日号再掲