なぜソニーが介護事業に進出するのか

ソニーフィナンシャルホールディングス井原勝美社長に聞く
乾杯! ソニー・エリクソンの社長時代の写真。ベンチに腰掛けている人物、一番左が井原氏

5時半

現在も体力が漲っています。元々、バスケットボール部で培った体力があり、ソニー・エリクソン時代には忙しい毎日で鍛えられました。世界中のキャリア(通信事業者)と交渉するため、月曜の朝5時半にロンドンのアパートから空港に向かい、金曜の夜、イギリスに帰ってくるような生活が続きましたからね。

今も、社員のモチベーションを高めるため、現場の社員と語り合う場を非常に多く設けていますが、疲れは感じません。

「人」が全て

エレクトロニクス事業を進める中で、最も大切なことは、言うまでもなく「技術」と「商品」です。では金融では何かと考えると、これは「人」なのではないでしょうか。

社員がモチベーションを高く持ち、各自がより高い目標に向かって自発的に行動するよう促していくことがトップの重要な役目です。お互いに目標を達成するために言葉をかけ、喜びや悩みを分かち合い、明日への活力を得る環境を創り、部下や同僚を率いる人間力のあるリーダーを育てることがトップとして重要な役割と考えていますが、まだ道半ばです。

明日へ向け

弊社は生保、損保、銀行の3事業を中心に業容を拡大してきましたが、それだけにとどまるつもりはありません。我々の経営資源を活用し、社会のニーズに応えられる事業は積極的に検討していきたいと思います。

その考えに基づき、新たに進出したのが介護事業です。生命保険事業で介護保険を販売すれば、お客様はじきに「実際の介護はどこに任せるか」を考えることになるはずですから。

現在、日本は本格的な長寿社会を迎えています。我々はこれらの事業を通し、長生きすることが、本当の幸せに結びつく社会を作っていきたいと考えています。

(取材・文/夏目幸明)
『週刊現代』2015年8月1日号より

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日本一社長を取材している記者の編集後記

井原氏は、若者へのメッセージがあると言った。彼はソニーの副社長、さらにはソニーエリクソンの社長となって世界を見てきた。だからこそか「もっともっと、とてつもない夢を描いて、その目的に向かって邁進してもよいのではないでしょうか」と話す。「アメリカには電気自動車の企業を興し、現在は宇宙への輸送ロケットをつくろうとしている人物がいます。また、グーグルも、非常に大きな絵を描き、これを実現しようとしています。アジアの国々にも新しいビジネスモデルに挑戦している若者がたくさん生まれています」と言う。

ただの夢でなく、オセロゲームのキーストーンのように、社会を黒から白へとパタパタひっくり返してしまうような夢を持てという話だ。思えば、誰でも言えそうな言葉。だが、実は彼にしか言えぬ言葉だ、とも感じた。


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