なぜソニーが介護事業に進出するのか

ソニーフィナンシャルホールディングス井原勝美社長に聞く
バスケ 小学校6年生からバスケットボールに熱中した。写真右から2人目が井原氏

思いを純に

島根県松江市の出身です。当時、バスケットボールは島根県勢が強く、私も高校卒業までバスケットボールに熱中していました。思い出すのは、高校2年生の時のインターハイです。

ベスト4まで勝ち進んだ段階で、我々は決勝の対策ばかり練り、準決勝の試合を軽んじていました。しかし、いざ準決勝に臨むと、チームに慢心が生じていて選手間の意思の統一ができない。プレーは空回りし、結局、負けてしまいました。悔やみました。なぜ、目の前の相手に全力でぶつからなかったのか、と。事業も同じです。

目の前のことに思いを純化し、120%の力でぶつからなければ競争には勝てません。目の前のことをクリアしたら、また次のことに120%の力でぶつかればいいのです。

成功要因

ソニー・エリクソンの設立は簡単ではありませんでした。'00年当時、ソニーの携帯電話事業の経営は困難を極めていました。デザインや機能はよくても、通信機器に関する技術が蓄積されていなかったのです。

一方のエリクソン(スウェーデンの通信機器メーカー)は生粋のBtoBの企業。優れた技術を持っていましたが、コンシューマー向け商品の開発経験が少なく、苦戦していました。そこで私が両社を結びつけたのです。

後年、高いシェアを得ることができたのは、狙い通り両社の強みを生かすことができたからです。成功要因は、誰が見ても公平な組織を作ったこと。人事の際、出身会社にはこだわらず、さらに人事の客観性を担保するため、第三者であるコンサルタントに依頼し、全員のインタビューに立ち会ってもらった上で組織を作りました。そして、あらゆる場面で、どちらの出身であるかは一切問わず、徹底的に新会社に有用な意見のみを最優先し続けたのです。