元女子アナが描く「女子アナの世界」。テレビ業界の内情やスキャンダル、その「役割」に苦悩する彼女たちのホンネ

インタビュー「書いたのは私です」小島慶子
現代ビジネス編集部 プロフィール

―物語は、人気絶頂のアイドルアナ・仁和まなみの「私には、ブスの気持ちがわからない」という独白から始まります。

とびきり美人の人気女子アナならきっとそう思っている―という私の妄想です。まなみはミスキャンパス出身で、好感度バツグン。産休に入る先輩アナ・佐野アリサの後任として、視聴率が低迷するニュース番組のキャスターに抜擢される。27歳で、アイドルアナからの転身を目指します。

私生活では、若手イケメン作家と付き合っていて、そっちも絶好調。彼女は「女子アナ妄想」を背負うエロい女なんです。だから、ベッドシーンも「若いんだからこれくらい激しいはず」と、全開で書いています(笑)。

同僚からの嫌悪や嫉妬の眼差しにも、彼女は、「あなたが今胸の内にどろどろとたぎらせている悪意の彼岸で、神様に愛される罪なき女」と思うくらいプライドが高い。だから敵意を表に出さず、心中冷笑するだけです。

―政治記者上がりのディレクター・立浪望美はまなみとはまったく違う性格の女性ですね。

望美は才色兼備の帰国子女で34歳の独身。いわゆる「できる女」。彼女はマッチョな男社会にまみれて、男に負けないように戦ってきた。男に媚びるように見えるまなみは、忌むべき女です。

でも、彼女の内面も複雑です。いま、子供を抑圧し続ける「毒親」が話題ですが、望美も実母からの「女は見た目」という教育から逃れられない。スタイリストに囲まれるアイドル然としたまなみをバカにしながら、自分は「テレビに出る時は見栄えを良くしないと」と強迫観念にとらわれ、衣装代に給料を注ぎ込んでしまう。親の束縛から離れられないんですよね。