2020年の東京オリンピックに向けて、スポーツにおけるスポンサーシップビジネスが注目されている。そんな中、女子ラグビーの可能性に懸けて、株式会社エポラが追手門学院大学女子ラグビー部のスポンサードを2015年6月より開始した。その仕掛け人は、同部でゼネラルマネージャーを務める元ラグビー日本代表の大畑大介氏である。
「これからのスポーツ界は、さまざまな可能性を秘めています。女子ラグビーでも何か新しい試みができないかと思い、アメリカの大学スポーツの事例を参考にして、スポンサーを募ることにしました。女子ラグビーはこれから発展していく競技ですから、既存のものに乗っかるというよりも、ゼロからのスタートでお互いに成長し合えるような関係性を築きながらWin-Winになれるパートナーがいたら、と考えていたんです」(大畑氏)
スポンサーがつけば、まず選手の練習環境が改善できる。オリンピックという目標が見えても地盤がしっかりしていないと、それを目指せるだけの練習ができない。そんな危機感を抱いていたのだという。
スポンサー営業の際には、大畑氏自ら率先して企業を訪ね、直接思いをぶつけている。
「自分がどんな考えを持っているのか、先方がどんな意図でサポートしていきたいと考えているのか。まずそれを確認しておかないと、あとあとズレが出てきますからね。お互いに何ができるか、それによってお互いにどんなメリットがあるか、いつも最初にお会いする際に必ずお話させていただいています」
プレーヤーとして大活躍した大畑氏だからこそ、伝わった思いもあるのかもしれない。株式会社エポラの代表取締役・守谷みどり氏は、今回のスポンサードについてこう語っている。
「ラグビー界のスーパースターである大畑さんから直接熱い思いをお聞きして、女性経営者として日頃から女性が活躍できる職場作りに力を入れていることもあり、頑張る女子選手たちのお役に立てればと思いました。今はマイナースポーツである女子ラグビーが、いつかはなでしこジャパンのように全国から注目される存在になることを願っています」
また、大畑氏は「スポンサーシップのメリットは、練習環境の改善だけではない」とも語っている。「スポンサーの方々とは、同じ温度感で勝利の喜びや敗北のつらさを共有し合える関係になれます。プレーで結果を残せば、まわりが喜んでくれる。それは、選手にとって本当にやりがいになるんです。サポートしてくださる方々のおかげで自分たちがプレーできるという、感謝の気持ちも芽生えますよね。もちろん、いい意味でのプレッシャーもありますよ。背負えるものは、どんどん背負ったほうがいい。それが選手としての成長につながりますから」
スポンサーシップというと、スタジアムに大きな看板が掲げられ、億単位のお金が動くイメージがあるが、将来性のある競技を応援し“ともに成長すること”を目的とするスポンサーシップにも大きな意義があるようだ。
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