もう逃げられない!
マイナンバー制度「あなたの財産を丸裸にします」。「恐怖の名寄せ」で一発追徴課税

特集!知っておきたいマイナンバーの裏のウラ②
週刊現代 プロフィール

そして、これほどの情報を集めるにもかかわらず、冒頭で述べたように、その管理はいかにも心許ない。

内閣官房社会保障改革担当室の担当者に聞くと、マイナンバーの閲覧については、「閲覧権限の決め方や端末の管理については、各自治体がこれから検討する」というだけだった。中央官庁の人間だけでなく、各市町村の役所でも、職員がマイナンバーにアクセスする機会がある。アクセスする人間の数が増えれば、当然増大するのが流出のリスクだ。

もう一つ、問題となるのは、企業でのマイナンバーの管理だ。従業員から提出された番号の管理は、「企業ごとに勝手に行え」というのが政府の方針だ。

前出の北見氏が言う。

「中小企業や飲食店の経営者たちは非常に悩んでいます。というのも、マイナンバーを漏洩したら懲役もしくは罰金という厳罰が科されるんです。そのため、国は『マイナンバーを取り扱う部屋を専用個室にしろ』、『セキュリティのためにウイルス対策ソフトを導入しろ』と言っています。マイナンバーを保管するためだけの専用個室を用意できる中小企業がどれだけあると言うんですか。セキュリティにしても、どんなソフトを入れればいいかもわからない。コストも人手もかかるし、あまりに非現実的です」

さらに気になることがある。近い将来、マイナンバー制度は金融機関以外の民間企業とも連携し、利用できる範囲を拡大するというのだ。

自民党のIT戦略特命委員長として、マイナンバー制度を進める平井卓也衆議院議員に聞いた。

「『個人番号カード』によって図書館で本を借りたり、学生証や社員証、保険証の代わりにできたりすることを想定しています。スイカやパスモ、インターネット上の買い物も、このカード一枚で済むようになるかもしれません。民間企業にとって、大きなビジネスチャンスとなるはずです」

しかしそうなれば、民間企業がマイナンバーの情報を収集する機会は増え、そのデータベースが盗まれて詐欺犯罪に悪用される可能性が高まる。

モデルは共産主義国家

事実、マイナンバーと類似した制度「社会保障番号」を1936年から導入しているアメリカでは、様々な問題が起きている。

'15年2月には、保険会社のアンセム社が不正アクセスによって約8000万人分の番号を盗まれる事件が発生。住所、電話番号、勤務先などの個人情報が流出した。

盗んだ社会保障番号を利用した詐欺事件も、多発している。その番号の所有者になりすまして税申告をし、不正に還付金を得るのが、現在の社会保障番号詐欺のトレンドとなっている。