もう逃げられない!
マイナンバー制度「あなたの財産を丸裸にします」。「恐怖の名寄せ」で一発追徴課税

特集!知っておきたいマイナンバーの裏のウラ②
週刊現代 プロフィール

国税の「悲願」達成

日本の納税は、自己申告にもとづいて税金を支払う「申告納税」が原則だった。しかしマイナンバーの導入によって、「賦課課税」に変わる。

「『賦課課税』になるとはつまり、これからはおかしな点があればすぐに税務署から『税金を納めなさい』という連絡が来るということです。どこの株をいくら持っているか。土地やマンションを持っているか。その賃貸収入はいくらか。そして、そこからいくら税金を納めているか。ゆくゆくは全部わかるようになるでしょう。口座をいくつ作っていてもムダです。

マイナンバーとは、預金だけではなく株や不動産といった有形無形の資産を国が把握し、一銭たりとも税金の取り漏らしがないようにする制度。情報へのアクセスは格段に容易になり、国税にとって『最強の武器』になります」(赤池氏)

確かに、これまで脱税や不正受給をしていた者を取り締まるには有効かもしれない。保険料の支払いや確定申告の際の、煩雑な手続きが解消されるというのも事実だ。

しかし、ことはそれだけでは済まない。国民の側からすると、これまでは黙認されていた細かなカネの流れが、すべて国に監視されるようになるのだ。

たとえば資産家のAさんが亡くなったとする。

Aさんは複数の駐車場やマンションなどを持ち、財産の相続税評価額は3億円。相続人であるAさんの妻と長男、長女の3人は、相続税を申告し、納税した。

しかし実は、長く体調がすぐれなかったAさんは、亡くなる2~3年前から、自分の預貯金を3人に分配していた。

Aさんが贈与した金額の合計は3人それぞれに1000万円ずつ。複数の口座に少しずつ振り込んでいたので、これまでなら国税に捕捉されることのなかったカネだ。

だがマイナンバーが導入されれば、いくつの口座に分かれていようと、Aさんがいつ、誰に、いくら送金したか一目瞭然となる。

Aさんが亡くなってからしばらくしたある日、税務署の訪問を受ける妻。「◯◯銀行△△支店の口座をお持ちですね。通帳を見せてください」。その言葉に従ったが最後、申告漏れの追及が始まるのだ。

Aさんの妻が受け取った1000万円は、贈与の申告をしていないため遺産に加算され、40%の相続税、つまり400万円を追徴課税されることになる。

「相続税の申告漏れが発覚したケースのうち、現金預貯金は36%です。これがマイナンバーによって捕捉できるんですから、国税が眼の色を変えるのは当然です。居住地から離れた場所にあるいわゆる『疎開預金』も判明するわけですからね。国税の『悲願』が達成するといってもいい」(元国税の税理士・武田秀和氏)