もう逃げられない!
マイナンバー制度「あなたの財産を丸裸にします」。「恐怖の名寄せ」で一発追徴課税

特集!知っておきたいマイナンバーの裏のウラ②
週刊現代 プロフィール

それなのに、現場から上がってくる報告は『セキュリティは万全ではありません』というものばかり。他省庁からITに詳しい人間を呼ぼうにも、そもそも人材がおらず、安倍さんのイライラが募っています」

実際にマイナンバーを国民に通知するのは、全国の自治体の仕事。監督官庁がこの調子なのだから、市区町村の現場はさらに混乱している。

総務省自治行政局の職員が言う。

「『準備を進めてください』と必死に自治体の尻を叩いています。しかしマイナンバーの呼びかけだけして、実質、何の準備もしていない自治体も少なくないんです。登録者が集まらず、大失敗に終わった住基ネットの二の舞になると考えている首長までいる」

現場での準備がまったく進んでいないのに、10月に通知、来年1月からの制度開始とスケジュールだけが決まっている。内閣府のアンケートでは「制度を理解している」人が3割いるというが、この数字も怪しい。

「概要を知っているだけの人も『理解している』に入れるようなアンケートで、意味はない。実際に制度の詳細を理解している国民はゼロに近いでしょう」(前出の内閣官房職員)

だからこそ、甘利明経済再生相に「私~以外私じゃないの~あたりまえだけどねだ・か・らマイナンバーカード」などとロックバンドの替え歌を突然歌うような滑稽な真似をさせてでも、浸透させようと政府は躍起になっている。

真の狙いは何か?

そこまでして、なぜマイナンバー制度を導入するのか。

政府はその目的を「社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理」するためとしているが、これはあくまで表向きの理由。本音は、財産を丸裸にし、課税対象となるカネの流れを完璧に把握するためだ。

マイナンバー制度を利用するには、今年10月に配られる「通知カード」を持って来年1月以降に役所に出向き、顔写真などを提出して「個人番号カード」を作らなければならない。

そしてこの「個人番号カード」に登録された情報は、12ケタの固有の番号とともに、政府によって一つにまとめ上げられ、管理される。

肝となるのは、今年3月10日に、預金口座を利用する際にマイナンバーを登録する、と閣議決定されたことだ。登録は任意だが、数年で強制申告制になると言われる。

元国税庁職員で税理士の赤池三男氏が解説する。

「マイナンバー制度の導入は、『個人所得を完璧に把握しよう』という政府の姿勢の表れです。預金口座にマイナンバーを紐付けられれば、税務署にとって資産の把握がはるかに容易になる。あちこちから資料を集めずとも、マイナンバーをもとに『名寄せ』すれば、その人の資産と納税状況が一発で把握できるようになるわけです」