最近の安倍晋三政権はおかしくないか。止まらぬ自民党議員の暴言・妄言、ゴリ押しする新国立競技場問題、年金情報流出事件への煮え切らない対応だ。こう事例が続くと、政権を支持する立場でも首を傾げざるをえない。いったいどうなっているのか。
最初にはっきり言っておこう。私は安倍政権が進める「政策」の多くを支持している。安全保障政策はもちろんだし、経済政策でも政府の規制改革会議委員を務めているくらいだ。だが「政権」を丸ごと飲み込んで支持しているわけではない。
実は政策を支持する理由だって、政権の説明と私の考えは異なる場合が少なくない。安保関連法案がそうだ。政権は法案整備の理由にホルムズ海峡の機雷掃海と日本海での米艦防護を挙げている。私はコラムで何度も書いてきたように、中国の脅威に対する対応こそが本筋と考える。
細かい話を言えば、安倍政権は「後方支援は武力行使でない」という立場だが、私は「後方支援も武力行使」と思っている。この点は先週のコラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/43908)で指摘した。
経済政策も「アベノミクス3本の矢」の考え方は完全に支持しているが、8%への消費税増税には反対した。2017年4月の10%再増税も必要ない、と考える。とはいえ、大筋で政策パッケージを支持しているから、安倍政権にはぜひ健闘してもらいたいと思っている。
そんな立場の私から見ても、最近の政権運営には心配になる点が多い。