コナカ・湖中謙介社長「いまは『自分だけの一着』を薄利多売する時代が来ていると思う。だから、売り場面積が、たった10坪程度のカスタムオーダーのお店を出しました」

私は、商品をなくした彼がなけなしのお金で仕入れてきたセーターを「委託」で買い取りました。委託とは「売れ残ったら返却しますが、その分、高く買いますよ」という契約です。すると彼は、12色展開しているラムのセーターを持ってきて、弊社の東戸塚総本店で、鬼気迫る様子で売り続けるのです。

結局、試着に使った品だけ残して全て売り切り、彼は会社を建て直した。私はこの経緯と、彼の後ろ姿から、経営者として大切な心がけを学ばせていただきました。

半袖

海外進出時には現地化が大切、と言われますが、弊社の場合は現地化がマイナスに働いたことがありました。以前から「東南アジアでスーツは売れない、暑くて誰も着ない」と言われていました。だから私は「それならプレーヤーが少ないわけで、弊社のチャンスがある」と出店したんです。

ところが、タイのお店にスーツと半袖のシャツを並べると、スーツがよく売れ、涼しいはずの半袖は惨敗でした。実に意外でしたが、日本で着られている服と同じものを着たい、というご要望があったんです。

話す 時間があると、店舗や本社内を歩き、店員や社員たちと親しく話す。社長と社員の距離は近い