急増中!遺骨を「ゆうパック」でお寺に配送
「ゼロ葬」時代はここまで来た

葬儀不要、墓もなくていい。あなたはどう思いますか?
週刊現代 プロフィール

「ゆうパックで遺骨を送るのは、少しむごいような気もしますね。最期のお別れなのだから、せめて自分でお寺さんに持っていって、お線香の一つもあげて、と私などは感じますが、海や山に散骨する時代ですから、そこまで来ちゃったのかなと。

ただ、散骨というのは自然に還るという前向きな気持ちで選ぶ人も多いですよね。僕自身も海への散骨がいいと思っていたけど、家内が亡くなってみると、周囲の反対を押し切ってまではできなかった。それでお墓を作って、墓石に『生きる』と彫りました。死者への思いはそこで生きている。私の遺骨は、やはり近しい人にお墓に持っていってもらい、納めてほしいものですね」

一方、「葬送の自由をすすめる会」会員でもある作家の辻真先氏(83歳)は、肯定的にとらえる。

「仏教では、そういうことを『方便』と言うのではないですか。遺骨が路頭に迷うのは、本人にも周囲の者にも面白くないことですよね。少なくとも、お骨をどうするか悩んでいる人たちには、認めていいと思う。散骨だって、ひと昔前は『遺骨をその辺に撒くなんて』と非難されましたよ。まして日本はこれから老人国になる。弔う側の人がどんどん減っていく。遺骨をどう扱うか、選択肢は減る一方です。それを考えても、いいのではないかと思いますよ」

賛否両論、むしろ他の寺院からは批判的な声が多いと認める橋本住職。だが、その決意は固い。

「かつては8割の人が行っていた三回忌の法要も、現在では8割の人が行いません。世間体よりも『先々何が起きるかはわからない。身辺整理をして、余計なお付き合いは避けよう』という心理が強くなっている。東日本大震災後、その傾向が急激に強くなりました。世間体を整えても、一瞬の災害で人も家も流されてしまうと全国の人が実感したからでしょう。

親の墓を子供が守るという時代は終わりつつあります。いままで通りのことだけやっていたのでは、寺院は時代に取り残され、困っている人を助けるという本来の役割をはたすことができません」

何となく常識と思っていた葬儀や墓のイメージは、もはや常識ではない。あなたは旧来の弔われ方にこだわりますか。それとも、ゆうパックで送ってもらえば、十分ですか。

「週刊現代」2015年7月4日号より


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