[BCリーグ]
富山・吉岡雄二監督「期待通りの働き、ローズ兼任コーチ」

スポーツコミュニケーションズ

NPB入り狙うニック

 タフィの入団効果は予想通りでした。バッティングでは、まだブランクがある状態で2本塁打。うち1本はNPBサイズのアルペンスタジアムで完璧にスタンドインさせたものです。近鉄で一緒にやっていた時と同じく、打てないと怒り、熱い気持ちは変わりません。打席での雰囲気も昔に近づきつつあり、後期はもっと打ってくれるでしょう。

 加えてコーチとしても、バッティングピッチャーを買って出るなど積極的に選手とコミュニケーションをとっています。若い選手たちも最初は「あのローズか……」と存在に圧倒されている様子でしたが、タフィが日本語で話しかけてくれ、打席での考え方などを伝えているようです。

 とりわけ外国人のニック・エーキンズには、僕たちが伝えきれなかった細かいニュアンスをアドバイスしてくれ、バッティングの内容が良くなってきました。ニックも狙うはNPB入りです。前期だけでミッチ・デニング(新潟-東京ヤクルト)、ネルソン・ペレス(石川-阪神)、ヨヘルミン・チャベス(群馬ーオリックス)と3人の外国人がBCリーグからNPB行きを果たし、本人もその気になっています。本塁打はリーグ3位タイの5本と長打力はあるだけに、これをコンスタントに発揮することがスカウトの目に留まる条件となります。

 タフィが来るまでのニックは日本の野球に慣れず、配球を考えすぎている面がありました。しかし、タフィのアドバイスでシンプルにバットを出せるようになりつつあります。インパクトの瞬間に集中できれば、もっと結果が出るはずです。

 チームとしてもニックが打てば、タフィ、そして同じく兼任コーチの野原祐也とクリーンアップがより強力になります。佐藤が先発の軸として試合をつくり、ニックが一発長打を放つ。そんな展開になると、後期はおもしろい戦いができるでしょう。

 今回、選手が逮捕されるという残念な出来事が起き、ファンの皆さん、関係者の皆さんには、ご心配をおかけし、お騒がせしていることを大変申し訳なく思っています。僕たちにできるのは野球で、いいプレーをして勝ち試合をお見せすること。後期は心機一転、巻き返し、多くの皆さんにまた応援していただけるチームをつくる。その思いで今、試行錯誤しているところです。

吉岡雄二(よしおか・ゆうじ)>:富山サンダーバーズ監督
1971年7月29日、東京都生まれ。帝京高3年時にはエースとして春夏連続で甲子園に出場。夏は全5試合に登板し、3完封と優勝に大きく貢献した。打者としての素質も高く、高校通算本塁打数は51本を数えた。90年ドラフト3位で巨人に入団するも、右肩を手術。4年目の93年から内野手に転向した。97年オフ、交換トレードで近鉄へ。01年には26本塁打、85打点を放ち、リーグ優勝に貢献。02年はオールスターに出場し、03年は初の打率3割をマークする。04年の球団合併に伴い、新規参入の東北楽天に移籍した。09年からはメキシカンリーグでプレーする。10年オフに現役を引退。翌年、アイランドリーグ・愛媛の打撃コーチに就任。14年から富山の監督を務める。