【沿線革命048】地震発生! 
鉄道をいち早く運転再開させるには

阿部 等

鉄道の早期運転再開の重要性を社会全体で理解しよう

設備が損壊を受けず、復旧工事も不要なのに、現場点検に時間を要して運転再開が遅れるとは、はなはだもったいないことだ。

それによる損失を社会全体が理解すれば、飲酒者が救急出勤して現場点検してはいけないなどと言わないはずだ。事件に居合わせた勤務時間外の警官が、飲酒しているから何もしないなどあり得ない。

とは言え、飲酒して判断力が落ち、列車を運行できない設備状況なのに「運行できる」と誤って判断したとなってはいけない。飲酒者は2人以上で行動する等、一定のルールを定める必要はある。

鉄道事業者は、緊急の現場点検作業が大量に発生した場合は、飲酒者も従事させる必要性と、その場合の安全担保方策を社会に説明するべきではないだろうか。

それにより、時間帯によっては鉄道の運転再開遅れを小さくできる。

列車で安全確認するのが最も手っ取り早い

そもそも、保線や電力の専門係員が目視で確認して回るのは効率が良いとは言えない。

震度と現場強度に応じて、点検箇所は要注意箇所のみあるいは全線と定められており、前者の場合は自動車で、後者の場合は徒歩または軌道自転車(線路上を走行できる小さな走行具)で回る。

それよりも、列車で安全確認する方が手っ取り早い。ただし、乗客を危険にさらすようなことがあっては絶対にいけない。乗務員は一定のリスクを負わざるを得ないとしても、限度を超えたリスクではいけない。

設備の大損壊が現に起きている、あるいは起きていることが容易に想像できる場合以外は、以下のようにしたらどうだろうか。
・各所で止まった列車の乗客には全員降りてもらう
・駅間で止まった列車は例外的措置で次駅まで最徐行で走行させる
・区間毎の1本目は乗客を乗せずに最徐行で走行させ、運転士と車掌が安全確認する
・必要により停止させ降車して目視点検する
・運転士と車掌で判断できない不安要素があった場合は、設備の専門係員に引き継ぐ
・2本目は乗客を座席人数だけ乗せて徐行で走行させ、運転士と車掌が安全確認する
・3本目から所定速度とする

もちろん、列車の所定速度での走行に支障する事態を発見した場合は、運転中止・徐行運転等を手配する。余震に備え、地震発生から24時間くらいは3本目以降も60km/h程度を最高速度とした方が良いかも知れない。

以上により、設備が損壊を受けなかった場合は、運転再開までの時間を大幅に短縮できるはずだ。