【沿線革命048】地震発生! 
鉄道をいち早く運転再開させるには

阿部 等

復旧まで時間を要するのはなぜか

鉄道の設備が一定規模以上の地震を受けた際、運転再開は安全を確認できた後となる。その具体的な手順は各鉄道事業者が定め、多くは保線や電力の専門係員による目視確認を基本としている。

私は、JR東日本の在職中、以下のいずれをも実務として担ったことがある。地震は頻繁にあるものではなく、多くは台風による大雨の場合だ。
・現場を点検する
・現場を点検する要員を確保、指示し、報告を受け、取りまとめ、施設指令へ報告する
・施設指令として、現場からの報告を取りまとめ、点検完了を輸送指令へ伝達する
・輸送指令として、施設指令から点検完了の伝達を受ける
・輸送指令として、現場へ運転再開を指示する

経験から年数が経っているので、現行のものやJR東日本以外の仕組みは承知できていないが、基本は同一だろう。

現場従事員が指示された区間の点検の進捗状況を携帯端末に入力し、その情報が保守区・施設指令・輸送指令・駅・運転区所でリアルタイムに共有される。それにより、全区間の点検完了見込みを高い精度で予測でき、運転再開後のダイヤと車両・乗務員の運用計画を練る。

――という仕組みには、残念ながらまったくなっていなかった。運転再開までの時間の長さからして、現行もおそらく同様だろう。

情報伝達は、対面・電話・FAX(現在はメールだろう)による各部署や担当者間の順送りが基本で、一斉同報はされない。

今のやり方を批判するのが目的ではない。情報の伝達や共有を迅速かつ正確な方法に改められる余地が膨大にあり、他産業では当然に使っている最新のITを活用すれば、莫大なコストを要さずにシステム化できよう。