スティーブ・モリヤマ 第2回
「自分にとってなにがベストなのか・・・"ストリート・スマート"な人間は常にそれを考えて行動します」

島地 勝彦 プロフィール

ヒノ なるほど。やっぱりちょっとマッチョなイメージですかね。

モリヤマ ウ~ン、マッチョとも違うような気がします。男女も関係ないんです。いずれにせよ、先行きの読めないこれからの時代には、ストリート・スマートな人の活躍の場がどんどん増えていくことでしょう。

「自分にとってなにがベストなのか」・・・ストリート・スマートな人間は、常にそう考えて行動します。そもそも自分は大企業に勤める必要があるのか、表現者になってもいいし、ミュージシャンになったっていい。いろいろな選択肢のなかで、自分にはなにがいちばん向いているか、自分の命(めい)は何かを考えて、それを実現するためにはどうすべきか、ということを突き詰めていくのが、ストリート・スマートという哲学で、いずれそれは"3S"ににつながっていきます。

シマジ 3Sって?

モリヤマ Sweet Smell of Success【成功の甘い香り】です。Sの三連荘です。street-smartは2SですからSの二連荘で、その先にあるものです。

シマジ でもスティーブ・モリヤマはSMじゃないか。

モリヤマ うっぷす。。。イニシャルを覚えていただき恐縮です。シマジ先生のこれまでの軌跡をエッセイで読ませていただきましたが、まさにストリート・スマートな生き方ですよね。今の日本社会からは、なかなか出てこないタイプだと思います。

先日、あるご縁で、音楽家のつんくさんとお話しをする機会があったのですが、たまたまその翌日に高校生に話すボランティア活動の予定があり、ついでにそのことを話題にしたら、こんなアドバイスをいただいて、さっそく使わせてもらいました。

「"好き"は、下手でも成り立つ。他人からどう言われようが、好きは好き。"得意"は、必ずしも"好き"ではなくても成立する。人から褒められても、本当に「好き」かどうかはわからない。好きなものがあれば、戦える。我慢できる。好きなものを探すのが幸せへの近道だ」

彼もストリート・スマートな人ですが、高校三年生、つまりジェネレーションZの人にも、この言葉はグッときたようです。

シマジ なるほど。わたしの好きな言葉に「学校嫌いの勉強好き」というのがあります。でも学校嫌いの勉強好きが集英社に入れたのは、わたしが就職した頃まででしょう。いまではどの会社も学校の勉強ができて、優秀で、破綻のない、無難な人間を採用するようになってきているようです。

わたしが編集者になったいちばんのきっかけは、フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』に感動したことです。なにせ朝が苦手で、マルチェロ・マストロヤンニ演じるゴシップ記者の退廃的な生活に憧れたんです。でもわたしは1つも優がなかったので大学の就職課からどこにも推薦してもらえず、新聞広告をみて応募しました。

ところが、ふたを開けてみると、全優に近い成績で学校推薦を受けていた学生30名は全員不採用、わたしだけが受かりました。やっぱり、人生は運と縁ですね。