プロ野球インサイドレポート 世の中にはカネで買えないものもある「人を育てた」中畑DeNA、それに比べて阪神タイガース

週刊現代 プロフィール

最速155㎞の直球、2種類のスライダーを武器に三振を奪える力を買われて、昨季も開幕投手に抜擢されながら、その試合の1回に7失点と炎上。気負いすぎて力を出し切れず、昨季は1勝しかできなかった。

今季は春のキャンプから好調を維持。中畑監督も、4番に据えて「心中する」と宣言した筒香とともに、「絶対に使う」と腹を決め、その期待に、三嶋が応えた。

「僕は本当に必死です。(山口)俊さんには力があり、三浦(大輔)さんには実績と経験がある。僕は今、投げさせてもらえるポジションをつかみ取ったばかり。負けないように食らいついていきたい。俊さん、井納さん、久保(康友)さんはこれまで完投しているし、そこを目指したい」

自前で選手を育て、選手もそれに呼応するように自覚を持って成長してきたDeNA。そんな伸び盛りのチームと対照的なのが、昨年のCSを制した阪神だ。ベテランの野球記者が明かす。

「今年は球団創設80周年。優勝が義務付けられています。戦力だけを見れば、普通にやれば5割はキープできる。でも、現状はそうではない。仮に持ち直したとしても優勝は厳しい。そう考えるのは、これまでにできあがった『保身』の体質があるからです。

和田豊監督は昨季までコーチ会議を開いても、大事なことは当時の黒田正宏ヘッドコーチや吉竹春樹・野手総合コーチと3人で決めていた。意見をのべても意味がないことを悟ったコーチたちに、球団内の『風向き』を見る体質が生まれた」

コーチ陣が選手にも、監督にも何も意見を言わない姿勢は、選手への指導にも悪影響を及ぼしている。在阪スポーツ紙記者が明かす。

「勝つために、昨季、首位打者のマートン、最多打点のゴメス、最多勝のメッセンジャー、最多セーブの呉昇桓に頼りたい気持ちは理解できる。でも、それが馴れ合いにつながっています。

4月上旬、本拠地・甲子園での練習でほかの選手が屋外で打ちこむ中、マートンやゴメスはオマリー打撃コーチ補佐とともに、球場に隣接する室内練習場で打ちこんで、試合前のシートノックに入らないことがあった。シートノックは試合前に全体で守備の連係を確かめる大切な機会。そこにいない、ということはチームプレーを軽視しているに等しい。きっちり練習をして試合にのぞむ福留は、『(注意しないのは)おかしいんじゃない?』ともらしています」

4月22日のDeNA戦でメッセンジャーが打席でバントのサインを無視した時も、事情聴取をした球団の発表はメッセンジャーの「勘違い」。ダメなものをダメと叱らず、処分も下さなかった。

藤浪晋太郎のような有望な若手への指導もしかりだ。在阪スポーツ紙デスクが明かす。