【沿線革命044】 人口急増の湾岸部の交通を良くできるか、あと半年が勝負

阿部等(交通コンサルタント)

【007】勝どき、晴海、豊洲・・・人が急増する湾岸部の「鉄道不足」の将来

湾岸部は発展が続き、人口も交通ニーズも増える一方だ。2020年東京五輪の晴海選手村の跡地は大規模な住宅団地となる。

2016年11月に築地から移転する豊洲新市場には、「にぎわい」を創出する「先客万来施設」も建設される。事業予定者だった2社が撤退し、移転時には間に合わなくなったが、新たな元気のある企業の進出が期待される。そのためにも交通の充実は欠かせない。

ところが、湾岸部は鉄道に恵まれず、路線バスに頼る部分が多い。また、晴海トリトンスクエアの立地する都営大江戸線の勝どき駅は朝ラッシュの混雑が激しく、改良工事が進んでいる。

【009】銀座-晴海に路面電車ができる?

中央区は、2011(平成23)~13(平成25)年度に、銀座-晴海へのLRT(Light Rail Transit、次世代型路面電車)の導入可能性を検討し、①晴海通り、②みゆき通り・環状2号、③海岸通り・環状2号を活用した3ルート案を設定した。

中央区が設定した導入ルートの3案(2013.5『基幹的交通システム導入の基本的考え方』より)

中央区は②を本命としたが、5月26日のシンポジウムにて、吉田不曇副区長は「2013(平成25)年4月の銀座での説明会にて、このルートは皆様から徹底的に反対された」と率直に語った。

2016年度までにBRT(Bus Rapid Transit、高速バス輸送システム)、2021年度までにLRTを運行開始したいとした。

【010】銀座-晴海のBRT計画の需要予測に問題あり!

需要予測として示された1日当たり15,497~19,168人(8,000~10,000人が往復利用)は過少である。その原因は、BRTの利用率を現行の都バスと同一としたからだ。

2013(平成25)年5月に策定された『中央区総合交通計画』にて、「公共交通の利便性をさらに高め、クルマ依存の低減をめざして」と素晴らしい基本理念を掲げていながら、それと全く逆行する。

BRTを徹底的に便利にし、湾岸部と都心の行き来のもっと多くの割合を担うように需要予測を改め、BRTだけで賄えないなら他の交通システムも加え、湾岸部を真に「住みたい街」としたい。

【011】湾岸の交通を劇的に良くするBRTのルートと運行私案

東京都は、中央区と江東区からの要請も踏まえ、2014(平成26)年8月に『都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本方針』を発表し、10月に京成バスと東京都交通局を事業協力者とした。

私は、所要時間も待ち時間も短くする等を主眼に、ルートと運行パターンを提案した。

環状2号線は、虎ノ門-新橋-築地はトンネル、築地-有明は高架主体で、信号はほとんどないので、それを活用し虎ノ門-ビッグサイト・晴海選手村、新橋-ビッグサイト・晴海選手村の4系統(https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zo0ekc4hc9Xw.kh671YxHxIVo)とする。所要時間は虎ノ門-ビッグサイト13分等の短時間とする。

4系統それぞれを朝ラッシュ2分おき、夕ラッシュ3分おき、その他5分おきの高頻度運行としても、所要時間が短い分、車両と運転手が高回転となり、運営費は非常に低い。