今季はバッターサイドから「ストライクゾーンが広がった」との声をよく耳にします。ただ、僕が試合を観ている限りでは、特段、ストライクゾーンが変化したようには感じません。むしろ、ゾーンがまちまちと言った方が正しいでしょう。
審判団も試合時間短縮を求められ、どこまでをストライクととるか戸惑っているのが実情ではないでしょうか。基準がはっきりしなければ、バッターは自信を持って見送ることができません。広島の丸佳浩、阪神の鳥谷敬、埼玉西武の栗山巧ら選球眼のいいバッターが、序盤に苦しんだのは、この影響も大きいでしょう。
1度、狂ってしまった感覚を元に戻すのは大変です。今季はシーズンを通じて、バッターにとっては対応に苦労することになるかもしれません。それだけに対戦の少ない相手と対峙する交流戦では、ピッチャー優位の傾向が強まるはずです。
交流戦は気分も一新し、波に乗り切れなかったチームには挽回のチャンス。何より重要なのは大型連敗をしないこと。過去にも交流戦でズルズルと負けてしまい、失速したチームがいくつもありました。連戦で切り替えるタイミングもないだけに、どうやって現有戦力を使って、うまく乗り切るか。例年以上にベンチワークも求められる18試合になるとみています。