この先、何が起こるのか あちこちで煙が上がり、動物たちは逃げ出した「箱根山噴火」現地取材で分かったこと

週刊現代 プロフィール

あの大震災の影響か

小見山さんは、さらに驚くべき箱根山の異変も教えてくれた。

何と、今まで箱根では姿を見なかったクマが目撃されるようになった、というのだ。

この証言を元に箱根の自然保護を行っている施設・箱根ビジターセンターを訪ねると、今年に入ってから少なくとも2件の目撃情報が寄せられているという。

同センターの自然公園財団主任・加藤和紀氏が語る。

「芦ノ湖の南側のあたりと、久野林道で目撃されたと報告がありました。それに、シカもここ最近、かなり目撃されるようになりましたね。クマと同様、シカも箱根での目撃情報はなかった動物だったんですが、最近は月に2~3件の報告があります。多いのは、芦ノ湖の西側・箱根スカイライン沿いです。私自身、疾走するシカを見たことがありますよ」

動物の異常行動と災害の関係を裏付ける科学的な根拠は解明されていない。しかし、大災害を予知したかのような動物たちの異常行動は、これまで何度も目撃され、記録として残っている。

たとえば、'11年8月24日にペルーで発生したマグニチュード7の大地震では、その20日ほど前から、近くの国立公園でネズミや鳥が慌ただしく移動する姿が観察された。

いたるところであがる噴気、頻発する地震、強くなった硫黄臭、マグマの上昇によって発生した山体膨張、そして噴火を逃れるように山を降ってきた動物たち……。

現地取材でわかった多くの異変。これらはやはり、箱根山が噴火する前兆なのか。

いつ大噴火が起きてもおかしくはない、と語るのは前出の島村氏だ。

「地震計が導入されて以来、マグニチュード9以上の地震は世界で7回ありました。一番古いのは、'52年に起きたカムチャッカ地震です。それらの地震は、すべて近くの火山に影響し、早いもので一日、遅くとも5年以内に噴火を誘発しています。しかも一つだけではなく、複数の火山が噴火しているのです。

'11年の東日本大震災も、マグニチュード9でした。そして、今年がその5年目。御嶽山の噴火も大震災の影響の一つですが、あれだけで済むとは考えづらい。明日にでも箱根山が噴火する可能性はあります」