この先、何が起こるのか あちこちで煙が上がり、動物たちは逃げ出した「箱根山噴火」現地取材で分かったこと

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地震の活発化を受け、気象庁は4日、大涌谷へ調査チームを派遣。6日には、5日に観測された強い地震を受け、箱根山の噴火警戒レベルを1から2へと引き上げた。

噴火警戒レベルは、'07年から気象庁によって用いられる指標で、火山の状況に応じて5段階に分けられる。レベル2とは、〈火口内や火口の周辺部で、生命に危険を及ぼす火山活動=噴火が発生した、あるいはその恐れがある〉状態だ。

箱根山の研究・観測を行う神奈川県温泉地学研究所の研究課長・竹中潤氏が解説する。

「警戒レベルを引き上げた理由は、群発地震の発生と大涌谷付近の噴気が強くなったことに加え、山体膨張が見られるようになったからです」

山体膨張とは、その名のとおり、山全体が膨らんできているということ。箱根山の地下約10kmのマグマが上昇し、その圧力によって起きるとされている。マグマがさらに昇り続ければ、当然、待っているのは噴火だ。

「実際に、マグマが上がってきているのか。正直、それは分かりません。ただし、噴気が強くなったのは、マグマの熱が高くなってきているためだと考えています」(前出の竹中氏)

5日、立ち入りが禁止される前に大涌谷を訪れた本誌記者が見た噴気は確かに、これまでとまったく違うものだった。

展望台から観察していたわずか1時間程度の間に、何度もゴーッと音を立てながらあがる噴気。まるで箱根山の危険を告げる狼煙のように、長い水蒸気の白煙をたなびかせていた。

大涌谷付近の宿泊施設の職員が証言する。

「ここで10年近く働いていますが、ここ2週間で噴気は激しく、そして多くなってきました。大きな噴気のときは、約10km離れた小田原市内から噴気が見えるほどです」

温泉の臭いが変わった

箱根山の異変は、噴気の活発化だけではない。地下の浅い部分を震源とした地震もまた、頻発している。

箱根山の有感地震が確認されるようになったのは、4月26日。以降、地震の数は日ごとに増加し、今日までに1000回をはるかに超える揺れが観測されているのだ。

大涌谷の様子を見に来ていた40代の地元の女性が、震えながら言う。

「驚いたのは、2日の地震です。ドーンと、下から突き上げるように震動が起きたんです。よく隣の御殿場で自衛隊が大砲を撃って演習していますけれど、ちょうどそれが、箱根の地下で起こったような感じ。そして翌日には、ゆらゆらっと横揺れがあった」