トホホな密着大金持ちの中国人、今度は京都で爆買い「金閣寺で錦鯉をワシ掴み」編

いいかげんにせんかい!バブルチャイニーズ
週刊現代 プロフィール

お茶屋が開くまで、まだ時間がある。一行はまず嵐山に向かった。渡月橋を渡っている途中、陳社長は何かを見つけた。

鯉だ。眼下に鯉が悠然と泳いでいる。王さんと同様、陳社長も、

「なぜ鯉が泳いでいる!?みんな捕らないのか?」

と興奮を隠せない。川に入って掴まえそうな勢いの陳社長をガイドがなんとか食い止める。

この渡月橋のある嵐山や、竹林で有名な嵯峨野は隣接していて、普通は歩いて観光する。だが、中国の大金持ちは自分の足で歩きたがらない。車がすれ違うこともできない細い道をアルファードが疾走していく。陳社長は車中から見る景色に感嘆の声を漏らした。

「水墨画で描かれている風景そのままだな。お、あそこに庭がついた、なかなか広くて良さそうな家があるじゃないか。買いたい。いくらだ?1億円?それは安いな。上海の高層マンションの最上階と同じくらいじゃないか。がはは。中国に戻ったら秘書に連絡させるから、持ち主を調べておいてくれ」

バブルチャイニーズのガイドは報酬こそいいが、このように次から次へと要求を出されるので、大変な苦労をする。日本人ガイドが解説する。

「家を買いたいという中国人は多いですが、一軒家は近所付き合いもありますし、年に数度しか来ない物件に1億円以上出すのは、さすがにお勧めしません。代わりに買うなら、京都市内のマンションですかね。8000万円の物件の購入を斡旋したことがありますよ」

一行はお目当ての「お茶屋」へと繰り出した。京都の花街は日本人であっても「一見さんお断り」。中国人ならなおさらで、老舗のお茶屋は中国人観光客をすべて断っている。だが、ガイドが懇意にしているお茶屋であれば、その限りではない。日本人ガイドが言う。

「一人あたり2時間で5万円程度(食事なし)を払えば、中国人でも芸妓遊びをすることは可能です。『祇園小唄』を踊って、簡単なゲームをする。中国の方が興味を持つのが、『野球拳』です」

陳社長もそうだった。じゃんけんに負けた女性が着物を1枚ずつ脱いでいく、いわゆる「野球拳」をしてみたくて仕方がない。陳社長は中学生のようにはしゃぎ始めた。

「アウト、セーフ、ヨヨイノヨイ~♪」

陳社長は見事勝利を収めた。だが……ここは祇園。よほどの常連か上客でない限りは、「野球拳」はじゃんけんに負けたほうがお猪口に注がれたお酒を一気に飲むゲームにすぎない。陳社長は顔を赤くしてまくし立てる。