【沿線革命042】 経営危機の湘南モノレールをドル箱路線に

阿部等(交通コンサルタント)

湘南モノレールって、どこを走っている?

朝日新聞の報道を見て、「湘南にモノレールなんてあったの?」「どこを走っているの?」と思った人が多いだろう。

さらに、大船と江ノ島を結んでいる(https://www.google.com/maps/d/edit?mid=z2KBFWZs7m6o.kN_qL3kuscwg)と知ると、「江ノ島には小田急線が行き、藤沢と鎌倉を結ぶ江ノ島電鉄が走っているのは知っていたけど、モノレールでも行けたの?」という人が多いだろう。

残念ながら、それほど湘南モノレールはあまり知られていない。

実際には、湘南モノレールは大船と湘南江の島をわずか14分で結び、横浜・東京・上野方面との行き来は、小田急線や江ノ島電鉄経由より速い。渋谷・新宿・池袋方面との行き来も、小田急線経由と比べ運賃は高いものの、大船から湘南新宿ライン経由が速い。

ということは、今回の経営危機騒動により注目度が高まり、江ノ島へ行くのにこんな便利な路線があると知られれば、湘南モノレールのポテンシャルは高まろう。

年間1,000万人、1日3万人弱も使っている

湘南モノレール(株)のホームページ(http://www.shonan-monorail.co.jp/publics/index/2/)に、2009(平成21)~13(平成25)年度の輸送人員と営業収益(売上高)の推移が掲載されている。

輸送人員は、最近5年間、1,000万人前後で推移しており、1日3万人弱である。

最近5年間の乗車人員の推移(湘南モノレール(株)HPより)

『平成22年版 都市交通年報』((財)運輸政策研究機構発行)によると、1970(昭和45)年3月の開業後、1975(昭和50)年度728.9万人、1985(昭和60)年度807.6万人、1995(平成7)年度1,107.3万人、2005(平成17)年度1,038.1万人である。

最盛期より減ったとは言え、地方ローカル線と比べると大幅な減少ではない。1日3万人弱は、地方ローカル線ではあり得ない大人数である。

万が一にも廃線してバス代替とした場合の運行本数を試算してみよう。1日3万人弱とは、片方向1.5万人弱である。バス1台当りの平均乗車人数を50人弱として300本、30人弱として500本の運行本数となる。

運行本数のピーク1時間集中率を10%として30~50本、1~2分おきの運行となる。今でも渋滞する道路にそれだけのバスが加わる様を想像するなら、モノレール廃止が地元に不幸をもたらすことは間違いない。