魚住りえ 第2回
「ピアノの道は諦めてしまったのですが、今度は自分が楽器になれば愉しいんじゃないかと思ったんです」

島地 勝彦 プロフィール

立木 シマジは今日はよく「きく」って発音できたね。

魚住 どうしてですか?

シマジ わたしは生まれながらのどもりで「カ行」「タ行」の発音が苦手なんです。

魚住 いえいえ、先生は凄く発声がお上手ですよ。

シマジ いやいや下手ですよ。本当は魚住さんにもっと素敵なことを言おうと思っているんですが、美しい言葉が次から次に浮かんできては、わたしの舌の上で音にならずに死んでいくんです。

魚住 ウフフ、素晴らしいレトリックですね。「音にならずに死んでいく」ですか。

立木 シマジはこのレトリックで多くの女性を口説いてきたんだよ。たしかにコンプレックスを武器にするあたりはなかなかのものだがね。

魚住 たしか先生のご出身地は岩手でしたよね?

シマジ そうです。岩手県の一関市です。4歳のころに東京から疎開して、高校を卒業するまでずーっと一関で過ごしました。だから岩手の人間のようなものですね。

魚住 岩手弁というのはどういう感じなんですか?

シマジ これが、うちではオヤジもオフクロも東京弁で話していたのであまり方言に感化されずにきてしまって、岩手弁は上手く話せないんです。言葉は母親の影響を大きく受けますよね。

魚住 たしかに、そうかもしれません。でも聞く分にはおわかりになるんでしょう?

シマジ ヒアリングは完璧ですが、自分からは話せないという、なんとももどかしい感じです。

ヒノ そろそろ新しいネスプレッソを淹れましょう。

魚住 ありがとうございます。これ、美味しいですね。本当にこのマシンをいただけるんですか?

ヒノ もちろんです。編集者に二言はありません。

魚住 嬉しいです。それにしても、さきほどから思っていたのですが、先生はお肌がツヤツヤですね。

シマジ ありがとうございます。これはSHISEIDO MENのお陰です。