『6度目の大絶滅』で人類も絶滅するのか?

ノーベル化学賞受賞者であるパウル・クルッツェンは、わたしたちは新たな地質年代区分「人新世」を生きているのだと主張する。なにしろ人類は、「地表の三分の一から半分に手を加え」、「世界中の容易に入手可能な淡水の半分以上を使う」ような地球規模の変化を起こしているのだ。注意しなければならないのは、「人新世」は産業革命以降に始まったものではないということ。人類は科学の力を手にする遥か前から巨大動物を絶滅に追いやってきたのである。著者は、「かつて人類は自然とともにあったと想像するのは心がやすまるけれども、実際にそうであったのかは疑問だ」と述べる。

本書の焦点は過去と現在に当てられており、今後の人類がどのような未来を歩むべきか、という点については言及がない。世界中で絶滅の現場を見続けてきた著者には、どのような未来が見えているだろう。この言葉は著者の諦観の現れだろうか、それとも人類には希望も残されているのだろうか。

より多くの犠牲を払えば現在の絶滅は避けられるという考えは、あながち間違いではない。しかしそれは問題の本質をとらえてもいない。問題は私たちがことを深刻に受け止めるか否かではなく、私たちが世界を変える存在であるという点にある。

『6度目の大絶滅

作者:エリザベス・コルバート 翻訳:鍛原 多惠子
出版社:NHK出版

内容紹介
2050年には種の半分が消えてしまう!?
地球上では、過去5度の大量絶滅が起きている。そして現在、毎年4万もの生物種が姿を消している。私たちは、6度目の大絶滅がひそかに進行する稀有な時代に生きているのだ。人類文明の繁栄を極めた矢先の生命の衰退―いま、世界各地で何が起きているのか。最前線の研究者たちの活躍を追う。『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー』2014年度ベストブック10に入った話題作。福岡伸一氏推薦。

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作者:成毛 眞
出版社:中央公論新社
内容紹介:キルギスの誘拐婚から現代宇宙論まで、嫌われる勇気からヤクザなキリスト教史まで、世界の"今"を紐解く、ブックガイド!ノンフィクション書評サイトHONZ厳選の100冊。

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