【物件選びの知恵002】 人気立地でも要注意! 地盤チェックポイント~中目黒編

田中 歩(不動産コンサルタント)

 地震に関する地域危険度測定調査

「地震に関する地域危険度測定調査」においては、東京の地盤を12種類に分類しており、それぞれの地盤が、どういった性格なのか、地震の際にどのような被害が出るのか、各地盤の地震動による揺れ具合(増幅率)がどの程度かということを示しています。

 

分類

地形・地質の特徴

地震動及び地震被害に対する特徴

増幅率

1

山地

山地

主に岩盤が露出した地区で、地震動の増幅は1倍で地震動の基準となる地区である。

1.0

2

丘陵

主に丘陵地

固結した砂・泥層が地下の浅いところに存在するため、他の地盤分類に比べると地震動の増幅は極めて小さい。

1.4

3

台地1

河成礫層の上に関東ローム層を乗せる台地

ローム層の下に砂礫層が分布する地域。過去の被害地震時にも低地に比べて被害は少なかった。低地に比べて地盤の卓越周期は短い傾向にある。

1.6

4

台地2

海や河口付近に堆積した粘土・砂層の上に関東ローム層を乗せる台地

台地1と似ているが、ローム層が厚く、その下に比較的しまった粘土・砂層が分布する地域。台地の中では被害が発生しやすい。

1.7

5

谷底低地1

軟弱な沖積層の厚さが3m未満

凹地及び浅い谷にほぼ対応し、軟弱層が薄いことから、谷底低地の中では地震動による被害の発生がしにくい地域である。

1.5

6

谷底低地2

軟弱な沖積層の厚さが3m以上8m未満

沖積層の層厚は厚くないが、粘土やシルトからなる軟弱な堆積物が存在する。谷底低地1や周辺の台地と比べると地震動による被害が発生しやすい。

1.8

7

谷底低地3

軟弱な沖積層の厚さが8m以上

台地を刻む谷が沖積低地への硫化する出口にあたり、泥炭層や有機質シルトを含む地層からなる軟弱な堆積物(沖積層)が比較的厚く分布する。関東地震の際に、沖積低地における軟弱層の厚い地域と同様、被害が大きく発生した。

2.0

8

沖積低地1

沖積層が主に河成礫からなるところ

多摩川の中流域であり、地盤は主に砂礫から構成されていることから、地震動による被害も生じにくい。

1.5

9

沖積低地2

軟弱な沖積層の厚さが10m未満

沖積低地の中でも台地よりの地域で、軟弱な層が薄く、関東地震でも建物被害が少なかったことから、沖積低地の中では地震動による被害の発生し難い地域である。

2.3

10

沖積低地3

軟弱な沖積層の厚さが10m以上25m未満

軟弱な層の厚さがやや厚い地域であり、沖積低地2に比べると地盤の卓越周期は相対的に長く、地震動による被害も発生しやすい。

2.6

11

沖積低地4

軟弱な沖積層の厚さが25m以上40m未満

沖積低地の中で、2番目に軟弱層が厚い地域である。したがって、地盤の卓越周期は、相対的に長い傾向があり、地震動による被害が最も発生しやすい。

2.9

12

沖積低地5

軟弱な沖積層の厚さが40m以上

沖積低地の中で、最も軟弱層が厚い地域。軟弱な層が厚く堆積していることから、地盤の卓越周期は相対的に長い傾向にあり、地震動による被害が最も発生しやすい。

2.9

この表を見ると、山地や丘陵、台地は地表から比較的浅いところに硬い地盤があるので、地震の揺れがさほど増幅しないことが分かります。一方、谷底低地2、谷底低地3や沖積低地2~5は軟弱な沖積層が、硬い岩盤の上に一定の厚さ以上で堆積しているため、地震の際に揺れが増幅することが示されており、比較的被害が発生しやすい場所とされています。

特に谷底低地2と谷底低地3は、台地の中の谷のような場所にあるため、同じ駅を利用できる場所だとはいっても、実は地盤が弱く、地震の際に揺れが大きく増幅され、被害が比較的発生しやすい可能性があるわけです。

この表で特に注意すべき点は、「地盤の軟弱さ」の目安を、軟弱な沖積層の厚さで区分している点です。

たとえば谷底低地では、層の厚さ3m、8mを分岐点に、「3m未満」「3m以上8m未満」「8m以上」で区分していますし、沖積低地2~5では、軟弱層の厚さが「10m未満」「10m以上~25m未満」「25m以上~40m未満」「40m以上」の4段階で区分しています。

このように、軟弱な沖積層が厚ければ厚いほど、地震の際に揺れが増幅されるということになっています。これも、お豆腐をイメージするとよくわかりますよね。薄くスライスしたお豆腐がまな板に乗っているより、分厚いお豆腐が乗っている場合のほうが断然揺れそうです。