青山学院大学陸上競技部監督 原晋「箱根駅伝連覇私はこう考えている」 戦いはすでに中盤戦 

『魔法をかけるアオガク「箱根駅伝」制覇までの4000日』刊行記念
週刊現代 プロフィール

力のある選手が数名卒業しましたが、今年の優勝メンバーは8名残っている(内3名が区間賞受賞者、全員が区間5位以内の記録を持つ)。選手たちは私が思っている以上に成長しているようです。

現に2区を走った一色恭志(3年)は4月に5000mの青学歴代記録を更新しました。箱根に出られなかった選手が、うちの箱根ランナーを破って大会で優勝するなど、多くの選手が自己記録を伸ばしています。勝つことの好影響を噛み締めながら充実した練習を積めているのです。有望な新入生も加わり、もしかしたら今年の優勝メンバーが来年、箱根を走れないかもしれない。それほど選手層は厚く、またワクワクしながらメンバー選考が出来そうです。

そして、来年は、2位を10分50秒離して史上初めて10時間50分を切った今年よりも、さらに100秒早い目標タイムを設定しています。

ただ、順位は結果として出るものであって、それよりも過程が重要です。でも、「プロセスを大事にしろ」という当たり前のフレーズでは選手たちの心に響かない。ですから、彼らから3冠という目標を聞いた後、仮に結果が出なくても成長につながるよう一つの投げかけをしました。「今期は『男気』という言葉について考えてみないか。目標に向けて自分が示せる男気は何だろう」と。

勝ち続ける覚悟

今、私の故郷でもある広島のカープに凱旋した黒田博樹投手の「男気」が話題となっています。男気というのは、色々なものがあると思うんです。その中から何か一つを自分でキャッチして1年間考え抜いてくれたら、それはまた新たな内面能力の表現となり、結果となるはずです。

もちろん、私自身も勉強し、色々な人に会って何かを感じようとしています。たくさんの方とお会いしたなかで学んだことも多くあります。

特に印象に残ったのが、テレビ番組でビートたけしさんにお会いしたこと。この4ヵ月、大御所タレントさんから若手芸人さんまでご一緒させていただきました。そのなかでも、たけしさんはユーモアがあり、機転が利き、周囲への配慮をされる。長く活躍されている凄みを感じました。

そして、「ジャパネットたかた」の髙田明前社長の仕事ぶり。テレビショッピングに出演させていただいた際、髙田さん自らがプロデューサーとなり、番組作りをしていたのが印象的です。

お二方に共通しているのは漂わせている独特の緊張感が、ある意味、現場を落ちつかせていること。そうして、スタッフと一枚岩となって番組を作っていたんです。

目標達成のためには、みんながいいアイデアを出し合い、より活力と緊張感のある集団を作るべきだと実感しました。

これは自分のチームにおいてもそうですし、陸上界をよりよいものにしていく活動においても同じです。陸上界の若い指導者のなかには僕の考えに「やっぱりそうだよな」と同調してくれる人もいるんです。変わりつつある手応えも得ていますけど、表に出て、そうだ、原の言うとおりだと賛同してくれる人は、なかなかいません。だから、私は勝ち続けないといけない。来年の箱根も勝たないといけないんです。これからも覚悟を持って臨んでいきますよ。

「週刊現代」2015年5月2日号より


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