カルビー・伊藤秀二社長「継続的な成長の源は『壊す勇気』。商品は『成熟期』を経て、売り上げが落ちていくと言われますが、そんなことはありません」

ドクターZ プロフィール

そこで、私たちの意気込みを伝えて、レスポンスを速くする、相手の考えを理解して動くなどして、根本に信頼関係があるネットワークを築き、仕事を完遂したんです。この経験が、社をまとめるにあたり、生きているのだと感じます。

祭り 青森のねぶた祭に参加した時の様子。いつも明るく振る舞う伊藤氏らしい一枚

書店を使う

好きな音楽はプログレ(プログレッシブ・ロック)です。今も目白や新宿のマニアの店でCDを何十枚と買い込んだりします。ただ、社員から好きな書籍や音楽を聞かれても、私はあまり答えません。書店に行き、本を眺めていると、自分がどんなタイトル、分野に惹かれるのかわかるじゃないですか。そうして出会った本を読むほうが身になると思いませんか?

定石を壊す

弊社の継続的な成長の源は「壊す勇気」にあると思います。商品には「成長期」のあと「成熟期」が来て、売り上げは落ちていくことが常識のように言われますが、そんなことはありません。ならば何が必要かと言えば「今までこれで売れていた」といった定石を「壊すこと」です。仮にじゃがりこの醤油味は売れない、という実績があっても、なぜ売れなかったか分析すれば、売り方に問題があっただけかもしれない。とはいえ自分がブランドを担当すると、なかなか壊せないものなのですが。

果実

弊社の目下の課題は、商品や企業のイメージを変えることでしょう。まず、ポテトチップスって塩分が特別多くはないんですよ。60gのうすしお味で、たった0・6g。塩が表面についているから、舌に直接触れて辛く感じるんです。また、弊社は農産物の企業、健康的な食品の企業でもあります。例えば穀類に乾燥果実を混ぜた『フルグラ』(フルーツグラノーラ)は、ビタミンや食物繊維を含む健康的な食品です。私は弊社を「自然の素材を丸ごと活かした商品をお客様へ届ける企業」といった位置づけで考えています。そして、さらに愛される企業として成長していきたい、と思っています。

(取材・文/夏目幸明)
『週刊現代』2015年5月9・16日号より

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日本一、社長の取材をしている記者・夏目幸明の編集後記

「カルビー社員は座席をダーツで決める」と言ったら驚くだろうか。同社には「ダーツシステム」と呼ばれる席決めシステムがあって、自分の座席は毎日、このシステムに指定されて変わる。もちろん、いろんな人間と会話し、社内の活性化を図ることが目的だ。たとえば以前、この企画で取材したビールメーカー、『よなよなエール』のヤッホーブルーイングは、朝礼では業務報告でなくムダ話をし、社員同士がニックネームで呼び合って社員同士の距離を縮めている。コンプライアンスの問題で、飲みに誘うとパワハラ、私生活のことを聞けばセクハラ、という息が詰まりそうな世の中であっても、アイデアでカバーはできるのだ。


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