次世代リーダー育成ニーズが増している! 東南アジアで社会人教育を手がける「グロービス アジアパシフィック」

岡村 聡 プロフィール
左からGMの葛山智子さん、マネージング・ディレクターの高橋亨さん、筆者

創業期からの事業拡大の軌跡が強みになっている

高橋さんはシンガポールに来てビジネスをするなかで、うれしい誤算があったと話しています。それは、海外ではあまり受けないと考えていたグロービスの創業期の「志」に、こちらのお客さんたちが心を動かされたことです。

グロービスの創業当初は、日本で経営大学院へのニーズは少ないと考えられていて、創業者の堀義人さんも周囲から強く反対されました。しかし、ビジネスのグローバル化が進み、日本でもビジネススキルを高めるニーズが必ず増えてくると信じて事業拡大にまい進しました。

1992年の初回の授業では、わずか20名しか集まらなかった受講生が、今では約700名の大学院生を迎え入れ、年間のべ7500名がグロービス・マネジメント・スクールに通うまでに成長しています。また、研修事業も累計2000社を超える企業に提供するまでに拡大しました。

シンガポールでのセミナーの様子

多くの困難が待ち受けながらも、志を持って行動したことにより成功したというストーリーを聞いて、グロービスの研修を受けることを決めた東南アジアの企業が、思いのほか多いことに驚いたと話しています。東南アジアでは、日本のように長期間にわたって1社に雇用される慣習が薄く、ロイヤリティが薄い傾向があるようです。

そのため、日本企業がローカルスタッフを幹部に引き上げようとしても、そのことにやりがいを見出さないケースもあり、研修においてローカルスタッフのキャリアアップへのモチベーションを高めることが重要になってきています。ここにおいても、グロービスの創業期からの事業拡大の軌跡が強みとなっているようです。

現在は、高橋さんと葛山さんに加えて、現地で採用した2名の4名体制でシンガポール拠点を運営していますが、高橋さん以外の3名は全員女性です。日本でいま叫ばれている女性活躍というスローガンを掲げなくても、シンガポールをはじめとする東南アジアでは、キャリアに積極的な女性が多いと感じています。そのため、日本での管理職向けの研修では平均して7~8割が男性となりますが、こちらでは参加者の半数が女性であることも珍しくありません。

加えて、シンガポールでは女性が意思決定者であることも多く、グロービス アジアパシフィックでも、葛山さんが顧客開拓やその後の関係維持において活躍しています。シンガポールでは家事代行サービスなどが充実していることも、女性が仕事に全力で取り組むうえでありがたい、と葛山さんは話しています。このあたりのことは、私の妻がシンガポール法人の代表として活動する姿を見ていることで、深く共感できました。