【沿線革命039】 東西線の混雑と遅延は、ドア閉めと同時の出発だけで目に見えて緩和!

運行実績データを分析すると、遅延の原因が見えてくる

私が経営している(株)ライトレールでは、2010(平成22)年度に、国交省 鉄道局から鉄道の遅延防止等に関する調査を請け負った(http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo04_hh_000027.html)。

その中で、ケーススタディ路線を対象に運行実績データを解析し、定常的な遅延の要因を抽出して対策を取りまとめた。

具体的には、平日5日間の朝ラッシュ60本の全駅の着発時刻を分析し、各日ごとのトラブルにより生じた遅延と、共通に生じた遅延を選り分け、後者を定常的な遅延とした。

そして、現場をよく観察し、信号現示系統や駅での運転取り扱いとも突き合わせ、定常的な遅延の要因を抽出し、さらにその緩和・解消策を取りまとめた。当時はまだビッグデータという単語が普及していなかったが、ビッグデータの解析である。

各路線とも運行実績データは日々蓄積されており、それを綿密に解析することにより、遅延の現実と原因が見えてくる。国が大都市鉄道の遅延対策に本腰を入れることになったのだから、この手法を各線に適用することを提案する。

ちなみに、【001】で紹介した表(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41241?page=3)はこの調査で作成したもので、小委員会で示された各路線の遅延の表はそれを倣って作成された。

駅での停車時間の意味

駅での停車時間が伸びると、その列車の所要時間が伸びる。1駅わずか10秒伸びるだけで、12駅で2分、18駅で3分も所要時間が伸びる。

忘れてならないのは、運転時隔を広げ線路容量を引き下げることである。路線全体で最も線路容量が小さい駅において停車時間が10秒伸びると、その路線の最少運転時隔が10秒伸びる。少しでも輸送力を増強したい路線においては、はなはだ好ましくない。

少し高尚な言い方をすると、前者は単体としての列車への影響であり、後者は群としての列車群への影響である。遅延を緩和・解消する上で、後者の視点が重要である。