【沿線革命039】 東西線の混雑と遅延は、ドア閉めと同時の出発だけで目に見えて緩和!

650億円超の投資は混雑と遅延の緩和にどれだけ役立つ?

【038】にて、東京メトロが進めている東西線大規模改良を紹介した上で、鉄道の未来を拓くために、あえて以下のように申し上げた。

東西線の“痛”勤ラッシュに頭を悩ませている多くの方には大変に残念ながら、大幅な改善は期待できない。次回以降、どうして混雑と遅延の大幅な改善を期待できないのかを解説し、どうしたら改善できるのかを提案しよう。

関係の皆様には大変に失礼な物言いを申し訳ないが、【001】以来何回か書いたように、私は、鉄道は改善のネタを膨大に持ち、大きな伸びしろがあると考えている。単に関係者を非難する考えは一切なく、常に問題を解決する提案を提示している。

おそらく、葛西あたりから大手町まで、朝ラッシュの大量の利用者では2分20秒おきに列車をさばけない駅が連続している。

約340億円を投ずる南砂町の2面3線化、約200億円を投ずる木場のホーム一体化、約90億円を投ずる茅場町のホーム延伸等、それぞれの駅での最小運転時隔を縮めるのには効果的である。

しかし、2分20秒おきの列車をさばけない駅を全て改良しないと、抜本的な遅延の解消はできない。ましてや、輸送力増強のために現行より短い時隔のダイヤを設定しても、実行できず意味がない。

東西線大規模改良の実施先はボトルネック度の高い駅から順に選考されたとして、現行よりは遅延が小さくなり、実質の輸送力は増強されるだろうが、残念ながら「目に見えて」と言えるほどは期待できない。

国が大都市鉄道の遅延対策に本腰

今まで何回か、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」の答申が2015(平成27)年度中に取りまとめられる予定で、国交省の小委員会での議論が重ねられていることを紹介した。

去る3月3日に開催された第7回小委員会(http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/tetsudo01_sg_000215.html)において、遅延対策ワーキンググループでの検討内容が報告された。

国交省の澤井 俊鉄道サービス政策室長は「どれぐらいの頻度で遅延が発生しているか、どういう原因で起こっているか、あまりよく分かっていなかった。事業者がどう取り組んでいるのか、取り組んでいないのかもあまり明らかでなかった」とし、以下の表を示した。

平日の2/3以上の日で遅延が発生している路線が51路線中16路線(国交省小委員会配布資料)

そして、「遅延対策を重要な政策課題と位置付け、事業者には更なる改善の取り組みを求め、利用者にも協力を求めていく」とした。さらに、「守られていないダイヤにどこまで意味があるのか」と踏み込んだ発言までした。

ワーキンググループの主査である富井規雄千葉工業大学教授は「遅延を減らすには事業者のトップがやる気にならないといけない」とした。

つまり、鉄道の遅延は多くの路線で定常化しており、国は今まで実情も事業者の取り組みも承知していなかったが、今後は本腰を入れて取り組み、事業者にも改善を迫るということである。

東京の鉄道利用者にとっては、大きな福音である。今までダイヤが守れず、遅れ放題、計画された輸送力も実現できていないのが野放しだったことに、国がメスを入れると宣言したのである。「住みたい街」が各所に広がるきっかけとなる。