日大理事長と山口組組長の写真が海外メディアで報じられ、下村文科相が調査を約束

伊藤 博敏 プロフィール

だが、一方で、いっせいに流出したツーショット写真は、それを入手したと覚しきメディアへの警告の意味を込めて、何者かが、日大批判の急先鋒だった右翼・敬天新聞社を襲撃した。

同時に、「敬天を襲撃した。掲載したら同じ目に合わせるぞ!」といった脅迫電話がかけられ、ほとんどのメディアが沈黙した。

襲撃者が、誰だかわからない不気味さに加え、田中、司の両氏が取材に応ずることはなく、写真の真偽と流出の背景もわからないなかで、掲載する判断がつかなかったという側面もある。

海外はJOC副会長の問題に注目

しかし、ネット社会は一国のメディアの思惑を楽々と越える。ツーショット写真は、ヴァイス・ニュースの掲載などにより、誰もが見ることができる環境にあった。

牧氏が、今国会で取り上げた理由を説明する。

「東京オリンピックに向けた体制が固まり、事実上のスタートを切っている時、日本オリンピック委員会は田中副会長の問題をこのままにしていいのか。海外は厳しい目を向けていますよ、ということを指摘したかった」

効果は、十分にあった。

 

最後に答弁に立った下村文科相は、さすがに役人のようには逃げなかった。

「今回の事案を初めて知りましたが、文科省のなかにつくるか、あるいは大学のなかに第三者委員会をつくるか。いずれにしても私自身で調査をし、判断したい」

実は、田中理事長と特定業者とのバックリベート問題は、田中氏が常務理事時代の05年にも指摘され、設置された第三者委員会の追及を受け、「謝礼を受け取ったという極めて濃厚な疑いが残る」という中間報告書が提出されていた。

しかし、当時の理事長と総長は、その直後、任期満了となり、調査は継続されず、最終報告が出されないまま沙汰止みとなった。そういう意味では10年来、くすぶり続けている問題である。

日本のメディアの問題意識は低いが、4月21日、香港の一流紙「サウスチャイナ」が大きく報じるなど、海外の関心は高い。

そうした疑惑に応えるためにも、下村文科相の発言通りの調査と解明を期待したい。