死亡者続出!体への負担は少ないが、命の保証もない「腹腔鏡手術」はこんなに危険です(上)

週刊現代 プロフィール

「日本では、'90年に胆嚢の摘出手術が行われたのが、腹腔鏡手術の最初のケースです。その後、大腸がんや胃がんでも行われるようになり、ここ10年ほどで、肝臓がんや膵臓がんなどの腹腔鏡手術の症例も増えてきました」(前出・齋浦医師)

そのほか、前立腺、膀胱、子宮など、がんに限らず、良性腫瘍の手術でも幅広く導入されている。元東京医科歯科大学肝胆膵外科教授で、現在は浜松労災病院の院長を務める有井滋樹医師は言う。

「傷が小さいため、開腹手術と比べて術後の痛みも少なく、早期に退院できる。美容という点から見ても優れているため、急速に普及したのです」

メリットは多いが、手術は困難を極める。有井医師は、腹部を大きく切って行う開腹手術と腹腔鏡手術との違いについて次の3点を挙げる。

(1)手術器具を操作する自由度が制限されること、(2)器具から手に伝わる感触が薄れること、(3)視野が3次元ではなく2次元のモニター画面であること。

まず(1)は、イラストを見てもわかるように、ガスを入れて腹部を膨らませても、孔から入れた器具は可動範囲が限られている。開腹すれば簡単に摘出できるケースでも、病巣の場所が悪いと困難を極める。(2)については、開腹手術であれば臓器を直接手で触って患部の状態を確認することもできる。

そして(3)の視野については、腹腔鏡手術の場合、カメラが映し出す画像しかない。肉眼で見るよりも拡大できるメリットもあるが、カメラの死角に異常があった場合、見つけることさえできない。がんを取り残す可能性もあるのだ。モニターを見ながら細かく器具を動かして患部を切り取る作業は、「テレビゲームをやる感覚に似ている」と例える医者もいる。

患部に直接触れて行う手術と、皮膚の下にある患部をモニター越しに見ながら行う手術。後者の難しさは、素人でも容易に想像できる。

やらない名医もいる

これまで5000例以上もの手術を手掛けてきた都立駒込病院名誉院長・森武生医師は、腹腔鏡手術は行わないと話す。