【沿線革命037】 山手線事故、3時間で運転再開できた!?


阿部等(交通コンサルタント)

事故の原因

ここは若干細かな説明となるので、関心のある方のみ、お読み願いたい。「○号」とは電化柱の番号である。

【036】で解説した架線を「吊る」機能(全電化柱が持つ)と「張る」機能(引留装置の設置された一部の電化柱のみが持つ)を、下図の「本」または「副」と付く古い電化柱から「新」または「新副」と付く新しい電化柱へ順々に移設する工事の途上だった。

電化柱が倒れる前後の状況、表示されている架線(き電ちょう架線+トロリ線)は事故に関連するもののみで、これと区間が重なって秋葉原方へ伸びる架線がある(JR東日本提供)

副5-1号は、「吊る」機能は新副5-1号へ移設済みで、「張る」機能のみを持っていた。副6-1号は、「吊る」機能は新副6-1号へ移設済みで、「張る」機能は元々持っておらず、副5-1号を支える機能のみを持っていた。

図では判別できないが、副6-1号は京浜東北線北行の西側に建つ柱とセットの門型だったのを、3月25日の夜に2つの柱を結ぶ梁を撤去していた。それにより抵抗力が小さくなり、副5-1号と併せた抵抗力では架線から引かれる力に抗しきれなくなったと考えられる。

副5-1号は京浜東北線南行の東側に建つ柱とセットの門型で抵抗力が大きいため、倒れずに傾いたのみだった。副6-1号は単独柱となっており抵抗力が小さいため、倒れてしまった。

支線は低い位置に結ばれており、強く引かれ、倒れたから抜けたというより、抜けたから倒れたという現象だった。