【沿線革命037】 山手線事故、3時間で運転再開できた!?


阿部等(交通コンサルタント)

山手線と京浜東北線

東京の鉄道ネットワークの一番の中心である山手線と京浜東北線の品川-田端は複々線となっている。

1956(昭和31)年に完成した便利な配線(冒頭図と同一)

品川-田町にて、京浜東北線の北行が山手線を乗り越え、田町-田端では両線の同方向が並走し、各駅とも同じホームの両側という便利な配線となっている。線路別でなく方向別の複々線である。

田町と田端には両線を相互に行き来できる渡り線がある。列車全てを京浜東北線経由として山手線の線路を空けることも、列車全てを山手線経由として京浜東北線の線路を空けることもできる。「併用運転」と称する。

1988(昭和63)年3月に京浜東北線が日中に快速運転するようになるまでは、早朝・日中・深夜に併用運転を実施し保守間合を確保していた。どちらの線路を空けるかは偶数月と奇数月で変えていた。ホームは変わらないので利用者の不便もない。

今でも、人身事故等により、ある箇所が長時間に渡り走行不能となると予測される場合は、併用運転により最低限の運行を確保する場合がある。

当日の運転状況

当日の運転中止と再開の時系列は以下だった。
 6:10 防護無線の発報により周辺の全路線が運転中止
 数分後 山手線と京浜東北線以外は運転再開
 6:59 京浜東北線の大宮-東十条と品川-大船で区間運転開始
 7:48 山手線の田町-新宿-池袋で区間運転開始
 15:30 京浜東北線の全区間で運転再開
 15:48 山手線の全区間で運転再開(田町-田端は京浜東北線経由)
 17:43 山手線の田町-田端の線路も使用開始

事故発生から併用運転による運転再開まで10時間近くを要した。上野東京ラインのおかげで南北方向を結ぶ輸送が最低限確保され、また、平日ではなかったので、究極の大混乱とはならなかったが、将来は同様の場合にもっと早くに運転再開できるようにしたいものだ。