野村克也「野球は頭の使い方で決まる」自分を育ててくれたプロ野球界に、これだけは言っておきたい(下)

スペシャル・インタビュー
週刊現代 プロフィール

一喜一憂する監督は二流

今シーズンは広島に注目しています。昨季まで、投手陣で頼れるのは前田健太ひとりでしたが、2年目の大瀬良大地も成長し、何より黒田博樹が8年ぶりに日本球界に復帰したことが大きい。

メジャーで提示された年俸20億円を蹴って、4億円の広島に帰ってきた。私なら20億円になびいてしまうけど(笑)。

「日本でプレーするならここしかない」と古巣への恩義を口にする姿勢は、24年間優勝から離れている広島に、有形無形の力を与えるはずです。

黒田はメジャーでなぜ79勝できたのか。投手だけでなく、野手も黒田の背中を追うはずです。昨季、4番で本塁打王のエルドレッドが負傷で出遅れているが、野球は、投手が0点で抑えれば100%負けない。

人間にはラクをしたい習性があり、どの監督も無意識に攻撃型のチームを作りたがる。1-0の野球は我慢を強いられるため、苦しいものです。ただ、守りが堅ければ、チームとして大崩れはしない。今の広島には「1-0で勝つ」覚悟を感じます。

対 抗馬として、オープン戦で好調だったDeNAを推す声もあるが、私は上位定着は厳しいと見ています。入団6年目の筒香嘉智を4番に固定し、巨人との開幕3 連戦で2本塁打、打率・462とたしかに爆発した。ただ、打線は水モノで、筒香もずっと打ち続けられるわけではない。開幕したばかりで、筒香に対する他球 団の研究もすすんでいない。研究された時に、彼は苦労するでしょう。

そして何より、中畑清監督のベンチでの一喜一憂ぶりが私には気になりま す。監督には常にチームを勝たせる責任感、使命感があり、チームの流れがどんなにいい時でも、先のことを心配するのが仕事です。誰かがタイムリーヒットを 打っただけで、キャッキャと騒ぐ心境にはなれないはずなのですが……。

体調も回復し、野球評論の仕事を本格的に再開しました。評論とは、物事の「真偽」「優劣」「是非」、その判定を下すことだと思っています。

もう現場でユニフォームを着る色気はないし、怖いものはありません。球界にモノ申せる人が少なくなった今、「ダメなものはダメ」と言い続けていきたいと思います。

>>>「特大号 スペシャル・インタビュー野村克也「野球は頭の使い方で決まる」自分を育ててくれたプロ野球界に、これだけは言っておきたい(上)」はこちら

「週刊現代」2015年4月18日号より


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