そこでスタートダッシュに失敗しながらペナントレースを制した例を調べてみました。近年で思い出されるのは2008年の巨人です。
巨人は最初の10試合で、球団ワーストの開幕5連敗を含め、2勝7敗1分と低迷しました。飛び出したのは阪神で、7月初めには13ゲーム差をつけられました。それをひっくり返したのですから、「メークレジェンド」として話題になりました。
24年間も優勝から遠ざかっている広島に、08年の巨人のような底力を求めるのは酷かもしれません。前年も優勝していた巨人は戦力に厚みがありました。
気になるのは就任1年目の緒方孝市監督です。負けが込むと、動くべき時に動かなかったり、動いてはいけない時に動いてしまったりと、どうしても采配がチグハグになってしまいがちです。
むしろ、ここは腹をくくり、隠忍自重の精神で、どっしりと構えておいた方がいいのかもしれません。指揮官が浮足立つと、グラウンドの選手のプレーにも影響を及ぼします。
8日の巨人戦で、8連敗のピンチを超のつくファインプレーで救ったセカンド菊池涼介選手の帽子のひさしには「笑顔」と書いてあります。菊池選手は「野球を楽しみながら、気持ちに余裕を持って試合に臨んだほうがいい」と語っていました。この思いを全選手で共有することでしょう。
「今年のウチは鯉のぼりの季節からが勝負」
そんなセリフを緒方監督の口から聞きたいものです。