サンスター文具・小林大地社長 「アイデアは無限。『文具はもう変わりようがない』と思うかもしれませんが、じつは変わり続けています」

山へ 富士山頂にて、写真中央が小林氏。ほか、ゴルフ、スキー、ボートなど、様々な遊びを趣味とする

人間の器

社長として気をつけていることは「意見を言う」のでなく、周囲に「言ってもらう」こと。

例えば会議でA案とB案が検討されているとき、私が軽い気持ちで「これ面白くない?」などとC案を口にすると、しばらくのち「社長が仰る通りC案で進めておきました!」となってしまう。これでは社員から「言っても無駄だから言わない」と思われる企業になってしまう。だから、社員に考えてもらい、ひろく意見を聞くんです。お酒の場や、表彰も大切です。表彰すると、褒められた本人が喜んでくれるだけでなく、周囲に「なぜこの人が褒められているか」が伝えられます。

仲間と

海外進出し、とくにアジア地域で事業を進めています。アジアって「かわいい!」という感覚を価値として認めてくれるなど、日本と趣味嗜好が共通している部分があるんです。進出先は韓国や香港。『ショウワノート』さんと協力して流通システムなどを構築しています。国内ではよきライバル、アジアではよき仲間なんです。

無限

弊社は創業者の命日である6月1日を「挑戦の日」と定め、毎年「文房具アイデアコンテスト」を開催しています。私自身もとても楽しんでいて、例えばお子様が「男性が便器に座っている格好の鉛筆削り」を提案してくれたのには大いに笑いました。だって、鉛筆を削ると、おしりから削りかすが出てくるんですよ(笑)。

もちろんこういった面白いものだけでなく、あっと驚くアイデアを求めていて、今では毎回3000~4000通のご応募がいただけ、じつは『Piri-it!』もこのコンテストから誕生しています。'16年開催分は'15年末頃に募集を開始する予定なので、ぜひ皆さんのアイデアをお寄せください。アイデアは無限です。「文具など変わりようがない」と思われるかもしれませんが、付箋や、テープや、はさみやノート等々、じつは次々と変わり続けていますからね―。

(取材・文/夏目幸明)
『週刊現代』2015年4月18日号より

* * *

日本一、社長の取材をしている記者・夏目幸明の編集後記

小林氏は多趣味だ。写真にあったように、ゴルフ、スキー、ボード、登山、テニスなど身体を動かすものが多く、多忙な合間を縫って精力的に楽しんでいるという。筆者は様々な取材を繰り返し、アイデアの多くは「遠くにあるものが劇的に結びつく瞬間に生まれる」と考えている。きっと、スポーツや、自然現象や、可笑しな冗談や、そんなものが商品と結びつく瞬間があるのだ。思えば、バンダイ社長の上野氏も料理からスポーツまで多趣味だったし、ナムコ社長の萩原氏は野球やバイクいじり、バンダイナムコゲームス社長の大下氏は車いじりが趣味で、ボディはもちろん、エンジンルームまで磨き上げるほどの凝り性なのだと言う。サンスター文具は、'13年にバンダイの子会社入りしている。きっと、何か通じるものがあるのだろう。

* * *


★読みやすい会員専用のレイアウト
★会員だけが読める特別記事やコンテンツ
★セミナーやイベントへのご招待・優待サービス
★アーカイブ記事が読み放題
★印刷してじっくりよめる最適なレイアウトなど、さまざまな会員特典あり

▼お申込みはこちら
 http://gendai.ismedia.jp/list/premium