受験エリートが医学部に殺到!「弁護士・会計士はもう食っていけないから」医者ひとり勝ちの時代、その不幸(上)

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まず、収入については「医師=カネ持ち」という一般的なイメージが強いが、実情はそれほど単純ではない。都内の私立大学病院に勤める40代の内科医が言う。

「大学からの給与は600万円ほど。大学の勤務医の場合、講師という肩書でもその程度です。他の病院にバイトに行って必死で働き、ようやく大手企業のサラリーマン程度に稼げる。カネ欲しさに、当直のバイトをする奴もいますが、この年になると体力的にもキツイ。割に合わないですよ」

前出の天野医師も「医者がすべて儲けられるわけではない」と話す。

「同じ40代の勤務医とトップ50社に入る一部上場企業の社員とで年収を比較したら、勤務医のほうが時給換算した収入は低いのではないでしょうか」

開業すれば儲けられるというものでもない。したとしても設備の維持費や人件費がかさむ上、機械の必要のない心療内科などにしても、コンスタントに収入を得るための客(患者)集めは容易でない。医者は皆カネ持ちというのは、現場を知らない人の偏見だという。

驚くべき、名医の日常

そもそもの問題として、医者という仕事は「安定した職に就きたい」という程度の甘い考えで務まるものではない。たとえば前出の天野医師の場合、平日は毎日、病院に泊まり込む生活を送っている。

「朝は5時半には起きて、朝食は大学構内の自販機のパンやおにぎりを買って食べる。当直に電話して患者さんの様子を確認したり、事務作業をこなします。8時からは、会議や取材を受けたりして、9時頃には手術室に入る。多い日で4件をこなし、合間に会議に出たりもします。昼ごはんはほとんど食べませんね。

午後の手術が終わるのは、早くて19時台、遅いと21時頃になる。教授室に戻るとテレビでニュースをチェックするのも日課です。それからシャワーを浴びて、その後、手術記録を書く。そうすると夜中の2時くらいにはなっちゃいますね。1時頃にはカミさんに電話しますが、『今日は帰ってくるの?』とはもう聞かれなくなりました(苦笑)」

そうして一日を終えると、大学の教授室で4時間にも満たない睡眠を取り、翌日がまたスタートする。土曜日は、他の病院での外来や手術、講演などをこなす。今年で60歳を迎えるが、医者になった頃から現在に至るまで、30年以上こうした生活を続けているのだ。

天皇の執刀医まで務めた権威ある医師なら、もう少しラクをしてもいいのではないか—そう思う人も多いだろう。なぜそこまで頑張れるのか。その問いに、天野医師はこう答える。

「この生活が、僕にとってラクというか自然なんですよね。あとは、年齢を重ねたいま、若い医者たちを預かる立場の上司として何かしてあげたいと思う。医者としての経験を積ませたり、つらいことを少しでも肩代わりしてあげたり。夜中に緊急手術が入っても、病院にいたら疲れている一人の代わりになれますから」

患者の命を救うために自分を犠牲にするのは、当然のこと。医師としての実力と地位が上がるほど、「責任」と「仕事量」は増えていく。それをこなす努力をしているからこそ、トップドクターとして活躍し続けられるのだ。逆に言えば、それができないと「本物の医者」にはなれないということで……

>>>続きは「受験エリートが医学部に殺到!「弁護士・会計士はもう食っていけないから」医者ひとり勝ちの時代、その不幸(下)」をご覧下さい。

「週刊現代」2015年4月11日号より


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