第7回ゲスト:中野香織さん (前編)
「『今日の異端は明日の正統』というシマジさんの格言には私も賛成です」

島地 勝彦 プロフィール

島地 補足すると、イギリスの社交界に喫煙文化を普及させたのもウォルター・ローリーだといわれている。それで、煙の重さはどうなったんですか?

中野 まずパイプに煙草の葉を詰めて重さを計り、吸い終わった後でまた計ります。ローリー卿は、その差が煙の重さだといったんです。女王は感心して、約束通りに褒美を与えたそうです。

島地 なるほどねえ。頭が柔らかいし洒落ていますね。煙みたいに限りなく重さのないものを他のものに置き換えるなんて、目の付け所がすばらしい。

ネイルアートに男も女も関係ない!

中野 (葉巻を持つ指先を指して)今日も素敵なネイルをされていますね。私はもう、限りなくシンプルにしました。この前、島地さんにお会いしたとき、女性の私より明らかにオシャレなネイルアートをされていて、完全に負けたと思ったので。

日野 ドン小西さんには「じじいのくせにやりすぎだよ!」と突っ込まれていましたけど。

島地 ドンさんも「負けた!」と思ったんだよ、きっと。

中野 え? あ! これって、ひょっとしたら伊勢丹メンズ館の・・・。

島地 ご明察。伊勢丹メンズ館の紙袋のデザインで、本館よりちょっと色味が濃いんですね。「サロン・ド・シマジ」でお世話になっていることもあって、このデザインにしたら、社長がたいそう驚いていました。ついでに披露すると、ここは『甘い生活』という本の表紙の顔で、ここがパイプで、ネイルにも自分のストーリーがあります。

中野 島地さんは「サロン・ド・シマジ」でシェーカーを振っているときに、お客さんの視線が自分の手元に集まることを承知していますよね。このネイルアートはサービス精神のあらわれでもあると思います。見ていて楽しくなりますから。

島地 今はまだ、男性のネイルアートは珍しいかもしれないけど、時代はいずれこうなると思います。ネイルでお洒落をして、気分がアガるなら男も女も関係ないでしょう。

日野 いずれそうなるんでしょうか。ぼくにはどうもピンと来ないんですが・・・。

島地 お前みたいなアタマの固いやつほど、一度やると世界観がガラッと変わることがある。もっとアタマを柔らかくして、人のやっていないことをやってみたほうがいい。おれがよくいっているだろ、「今日の異端は明日の正統」だって。